急激な温度変化に要注意…“梅雨明け1カ月間”に心疾患リスクが激増
さらに、気温30度以上の日には、気温が上昇するにつれて心血管疾患のリスクが上がることもわかった。気温が35度になると、30度のときに比べ、リスクがじつに4倍ほどに増加していたのだ。
心臓の疾患は日本人の死因で「がん」に次ぐ第2位。突然死を招くこともある恐ろしい病気だ。
「冬の寒い時季、急激な温度差で血圧が大きく変動する『ヒートショック』などが引き起こす心筋梗塞や脳卒中はよく知られていますが、私たち臨床現場の肌感覚では、梅雨明けの暑い時季にもこうした血管の病気の患者さんが搬送されていることを感じていました。そこで梅雨の時季に注目して心血管疾患の患者さんのデータを解析したところ、梅雨明け後1カ月において気温の上昇と心血管疾患リスクに関連が見られたのです」(藤本先生、以下同)
梅雨明けの時季は、急激な温度変化に体がついていけないために血管の疾患が起きやすいのでは、と藤本先生は推測する。
「特に高齢の方は、気温の激しい変化に注意が必要です。梅雨明け1カ月間は、水分摂取をこまめに行い、できるだけ涼しい室内で過ごせるよう、環境を整えることが予防につながります」
梅雨明けのころは、ジメジメした日が続いた後に晴れ間が訪れると、つい解放感から外出したくなるという面もある。