香りをかぐことで脳を刺激、活性化! 東大式アロマで認知症を予防
このうち、気導性嗅覚障害は、薬や外科的治療で除去し、空気の通り道を確保すれば嗅覚は元に戻ります。しかし、嗅神経性嗅覚障害と中枢性嗅覚障害は、トラブルのある神経が回復しなければ衰えた嗅覚が改善することはありません」(近藤先生、以下同)
けれども、鼻腔の天井にある嗅細胞と、中枢神経の障害は、どちらも嗅覚トレーニング(嗅覚刺激療法)を行えば回復が望める、と近藤先生は語る。
「目の視神経や耳の聴神経は一度死滅すれば回復はできません。ですが、嗅細胞は新陳代謝により再生するのです。
嗅細胞が再生され、嗅覚をよみがえらせることで、脳が活性化され、認知症の進行をくいとめたり、予防をする効果があると考えられています」
■東大病院では数百人がアロマを使って嗅覚トレーニングを試している
そこで重要になるのが、においをかぐこと。ドイツのドレスデン大学耳鼻咽喉科の研究グループが、嗅神経性嗅覚障害の患者さん56人を2グループに分け、片方に1日2回12週間、嗅覚トレーニングを行ったところ、このグループの7割が改善したというデータが出ている。「東大病院では、すでに数百人の患者さんがアロマオイルを使った嗅覚トレーニングを試しています」