“1日に3色以上”で相乗効果が——野菜の抗酸化力が脳にもたらすメリット
(岩崎先生、以下同)
特に、色が濃く鮮やかな野菜のフィトケミカルは強い抗酸化力を発揮するという。
「これらは認知症やがんの予防・回復に作用するものも多いことが世界中のさまざまな研究で明らかになっています」
2060年には日本国内で高齢者の3人に1人がアルツハイマー型認知症にかかるとされており、がんは日本人の死亡原因の第1位。こうした大病を防ぐのに効果的とあっては、野菜のもつパワーをきちんと把握しておきたいところ。
そこで、岩崎先生に認知症とがんの予防に効果的な野菜を教えてもらった。
「アルツハイマー型認知症は、認知機能をつかさどる大脳皮質と、記憶をつかさどる海馬の脳神経細胞内に『アミロイドβ』と呼ばれるタンパク質が蓄積し、脳神経細胞を死滅させることで発症します。アミロイドβの発生・蓄積を抑えるために、野菜の抗酸化作用が有効です」
認知症予防でもっとも注目すべき野菜はごぼうだ。
「’15年に日本薬学会で発表された論文に、ごぼうに含まれるフィトケミカルのアルクチゲニンが脳神経細胞の死滅を約40%抑制したという研究結果があります。食物繊維が豊富で“第二の脳”ともいわれる腸の環境も整えてくれます。