「頻尿薬」飲み続けると記憶障害の危険性も……50代以上の服用者が多い認知症高リスク処方薬
「しかし、患者が薬を求めれば、応じる医師が多いのが現状。患者の依存度が高く、睡眠薬を処方しない医師がいれば、患者は別の医療機関に行ってしまいます」
もっとも重要なのは眠れない原因を取り除くことだ。
「高齢者の場合は、日中の活動量が少ないことが、夜、眠れないことを引き起こすこともわかっていますが、根本に目を向けず、安易に薬に頼る人も多いのです」
認知機能低下リスクのある3つ目の薬が、「過活動膀胱治療薬」のオキシブチニン(薬品名ポラキス)。
「通常、膀胱に尿が約300mmリットルほどたまると尿意を感じます。しかし過活動膀胱によって膀胱が収縮してしまうと、膀胱に尿が十分にためられない状態で尿意を感じたり、排尿する回数が増えたりします。日本排尿機能学会の調査では、40歳以上の12・4%が過活動膀胱の症状があるという結果でした」
ガイドラインには、こうした頻尿薬のなかでも、オキシブチニンは可能な限り使用しないように記されている。
「現在はトビエース、ベオーバという薬が一般的で、オキシブチニンが処方されるケースは少ないと思います。ただ、現在、同薬を市販薬にしようとする議論もあります。