“猛毒黄砂”の恐るべき健康被害…飛散翌日に心筋梗塞患者が1.45倍増の「衝撃データ」
また、九州大学の研究者らが2014年に発表した「黄砂の脳梗塞発症に及ぼす影響に関する研究」では、1999年6月から2010年3月にかけて、発症24時間以内の脳梗塞患者約7500人を調査。それによると、動脈硬化によって血管が狭くなる、あるいは詰まっていることなどにより生じるアテローム血栓性脳梗塞という種類の脳梗塞が、黄砂のばく露によって有意に増加すると報告されている。
これらの疾患と黄砂の因果関係は判明していないが、小島さんは以下のように推察する。
「黄砂や、ともに飛散してくるPM2.5といわれるごく微小な有害物質は、鼻や口から取り込まれると、肺の最深部である肺胞にまで行き着くと考えられています。また、あまりの小ささから血管にも入り込む可能性が指摘されています。
肺や血管から有害物質が全身に回ると、各臓器が酸化ストレス(細胞のダメージ)や炎症を起こします。また自律神経が乱れることも示唆されています」
結果、高血圧や心拍の異常、動脈硬化、急性心筋梗塞を引き起こすとされる。
■認知症や自殺などのリスクが上がる指摘も
さらに脳で言えば、認知症と黄砂の関連も指摘されている。
「アルツハイマー型の認知症は、脳に付着したアミロイドβというタンパク質が関与しています。