【医師解説】中枢性睡眠時無呼吸症候群とは?原因と治療
閉塞性の睡眠時無呼吸症候群が起こる原因としては、扁桃腺が大きいことや骨格的にあごが小さく空気の通り道が狭いことなど、のどの周囲の構造による問題のほか、肥満のため首の周りに脂肪がついて圧迫されるなど、さまざまな理由があります。
一方、中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、頭の中の脳幹(のうかん)にある呼吸中枢というところから出される「呼吸をしなさい」という命令が、一時的に途絶えるために息が止まってしまうものです。
中枢性睡無呼吸症候群の原因は?
中枢性の睡眠時無呼吸症候群の場合の脳からの呼吸命令が一時的に途絶える原因としては、心臓が悪くなって血液を循環させる機能が低下する、いわゆる心不全によるものがもっともよく知られています。脳の中には血液中に含まれる二酸化炭素の量と酸素の量が正常かどうかということを感知するセンサーの働きをしている部分があり、その情報によって呼吸中枢が呼吸の命令を出しています。血液中の二酸化炭素が多くなってくること、逆に酸素の量が少なくなってくることなどで、呼吸が大きくなって肺での酸素の取り込みや二酸化炭素の排出を正常化するのです。
ところが、呼吸によって実際に酸素と二酸化炭素の入れ替えをしている肺の動きと、血液中の二酸化炭素の量を感知している脳のセンサーの間にはいくらかの時間差が生じます。