汗の中に含まれる脂分や糖タンパクはそうした常在菌の栄養分となります。菌が栄養分を分解し酸化するのにともなって、人にとって不快なニオイを生じるようになるのです。
体臭を抑える制汗剤の選び方と使用方法
不快なニオイを抑える商品で広く知られているのが制汗剤です。特に女性の使用は一般的で、ある調査結果によれば、汗対策に制汗剤を用いている人は女性のうちの57.4%の割合にものぼります。制汗剤は、収れん剤と抗菌剤を中心とした成分が配合されています。収れん剤としてよく使用されているのは、パラフェノールスルホン酸亜鉛やクロルヒドロキシルアルミニウムなどです。これらの作用で汗腺を物理的に塞ぐことで、発汗を抑制します。
一方、抗菌剤では、イソプロピルフェノールやパラベン、塩化ベンザルコニウムなど、制汗剤によってさまざまな成分が使われています。
これらはそれぞれ殺菌作用の強さに差がありますが、必ずしも強いものを使えばよいというわけではありません。ニオイの原因となる常在菌は、人によって主となっているものが異なり、それがニオイの強さにも影響しています。それほどニオイが強くないのに殺菌作用の強力な制汗剤を使用すれば、皮膚を滅菌してしまい、かえって強い菌を繁殖させてしまうかもしれません。