2022年1月26日 10:00
富士産業、毛組織細胞への刺激により分泌される新たな育毛タンパクを発見 ~新たな育毛アプローチによる脱毛症に対する効果へ期待~
毛組織は、毛が成長する「成長期」と、成長を止めて休む「休止期」が繰り返される器官です。毛が抜けても、新しい毛が再び生えてくるのはこのサイクルのおかげです。成長期と休止期の状態のマウスの皮膚中のタンパク質の分泌量を調べてみると、休止期から成長期に切り替わる際、つまりは、新しい毛が発毛するときに、CHI3-L1とCXCL5の分泌量が増加していることがわかりました。(図3)
図3:発毛時のマウス皮膚にて、CHI3-L1とCXCL5の分泌量が増加する
一方、脱毛症の方ではCHI3-L1とCXCL5の分泌量はどうなっているのかを確認するため、ホルモン量を調整した脱毛症モデルマウスを用いて皮膚中の分泌量を調べました。その結果、AGA(男性型脱毛症)モデルマウスとFAGA(女性型脱毛症)モデルマウスでは、CHI3-L1とCXCL5の分泌量が大きく減少していることがわかりました。
(図4)
図4:脱毛症モデルマウスでは、CHI3-L1とCXCL5の分泌量が低下していることを確認
【今後の展望:新たな育毛アプローチによる脱毛症に対する効果へ期待】
本研究では、CHI3-L1とCXCL5が発毛や脱毛症と深く関わっていることを初めて明らかにしました。