授乳の時間を計る必要はない? 赤ちゃんに合わせた最適な授乳とは!?
この場合、1〜2時間間隔で授乳することが多いです。次の授乳まで時間が空くようであったり、飲まなかったほうのおっぱいの張りが強かったりした場合は、圧が抜ける程度に軽く搾乳しておきます。両方飲んでもらうために、短時間にして時間を区切って授乳することは、飲みきれずに乳房内に母乳を残し気味になることがあり、しこりなどの乳房トラブルになったり分泌量が減っていく原因になったりすることがあります。
母乳の分泌量は時間帯によって変化するため、赤ちゃんの覚醒状況や空腹程度などによっても影響を受けて授乳にかかる時間はまちまちです。また、赤ちゃんが乳輪に深くしっかりと吸い付くと短時間でもたくさん飲めることもあります。おっぱいに吸い付いていた時間と、赤ちゃんの飲んだ母乳量とは比例しないこともあります。
授乳中は、時計や授乳アプリとにらめっこするのではなく、時間を気にせず赤ちゃんの吸っている様子や表情を見ながら授乳すると良いですね。
<引用・参考文献>
メディカ出版「ペリネイタルケア 2009年夏季増刊すれ違いコミュニケーションをなくそうすぐ使える!70の事例から学ぶ母乳育児支援ブック」
編集涌谷桐子
P103 篠原和子著「授乳の頻度と長さ」
医学書院「母乳育児支援スタンダード」
編集NPO法人ラクテーションコンサルタント協会
P176 水井雅子著「ポジショニング・ラッチオン」
監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。
病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」