子どもの様子がおかしい…救急車を呼ぶべき?パニックのなか夫婦で取った行動とは
相当痛かったみたいで、爪が割れて、指からは血が出てたよ。それ以来、お父さんの親指は少し変形してるわ」。
確かに父の親指は、指先にへこんだ傷あとがあります。「親はそうやって、いろいろ失敗しながら成長していくもんだよ」。母の話で少し気持ちもラクになりました。
※口に指やタオルなどを噛ませると、呼吸ができなくなったり、嘔吐を誘発し吐物が気管に入ってしまったりする恐れがあります。口に物を入れないように注意しましょう。
1年後、また同じ出来事が…
その約1年後の大晦日の夜、また娘が熱性けいれんを起こしました。
数日前から少し熱っぽく、体調が悪かったのです。眠っていたのに急に震えだし、顔が真っ青になりました。前回の経験があったので、少し落ち着いて対応できましたが、熱があまりにも高いので怖くなりました。「熱が上がるときにけいれんするんだよね? すでに熱があるのにけいれんするなんておかしくない?」。「そやな。それに、眠っていてけいれんするのは、やっぱり変やな」。
当時は、今のようにスマホで調べられる時代ではありません。未熟な夫婦は何もかもが心配になり、いてもたってもいられなくなりました。
かかりつけ医に電話をかけ、車で急いで小児科に向かいました。
申し訳なさでいっぱいに
到着したころにはもう新しい年になっていました。お医者さんからは「熱性けいれんで、何も心配ないです」とのこと。安堵とともに、お医者さんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。薬を待っている間、寒くて暗い待合室はその作業の音だけが響いていました。私たちは気まずい雰囲気のなか、すやすや眠るわが家の「姫」の顔をただ黙って見つめていました。
娘は小学校入学まで毎年熱性けいれんを起こしていました。脳波を検査し、異常はないとわかりましたが、小学校でも急にけいれんを起こさないかとしばらく心配していました。
結局、それ以降にけいれんは起こしませんでした。娘も今は26歳、すっかり大人になりました。無知だったとはいえ、もう少し冷静に対応するべきだったと思いました。あの日お世話になったお医者さんには感謝しています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。