「本当は分かってるんだろ」夫が問いただすと、妻は涙を浮かべて<僕たちは親になりたい>
2度に渡り、美咲は愛する夫・拓也との子どもを授かったものの、どちらも残念な結果に終わってしまいました。そのショックから、美咲はいつしか犬の人形を赤ちゃんだと思い込むようになり、「花ちゃん」と呼んでお世話をしてかわいがっていました。人形をわが子のようにお世話する美咲に対して、どう接していいのか分からず、向き合うことから逃げていた拓也。しかし、2人で言い合いになったことをキッカケに、「本当は分かってるんだろ!?」と美咲に強く問いかけるのですが……?
涙を流して訴える夫。すると妻は…?
「こんなことずっと続けてても傷は癒えない!!
どんどん美咲が傷ついていくだけだ!!」
「もう……!花ちゃんを……
お空にいかせてあげて……」
拓也の目からは、大粒の涙が……。
すると、声を挙げて泣き出した美咲。
その腕には、犬の人形が
ギュッと抱きしめられていたのでした。
◇◇◇
「花ちゃんをお空にいかせてあげて」という拓也の言葉に目を覚ましたのか、泣き崩れた美咲。きっと人形をわが子だと思い込むことで、美咲は自分の心を守ろうとしていたのかもしれません。2度に渡り、おなかの赤ちゃんを失ってしまった美咲の胸中は、想像をはるかに超えた絶望と、深い悲しみに包まれていたのではないでしょうか。
著者:マンガ家・イラストレーター ちなきち
「ごめんね。結局自分の希望を押し付けてた」妻の手を握ると夫は謝り始めて<僕たちは親になりたい>