「助けて!開かない!」夫に閉じ込められた私と娘→一か八かで、とある人物に助けを求めた結果!?
つっかえ棒でもしてあるのでしょうか、全然開きません。私がガタガタやっていることに気付いたのか、和室の外から夫が声をかけてきました。
「真夜中も朝方もギャン泣きするし、おかげで全然眠れなかったわ」「しばらくそこで反省しておけ」「お前が『俺に逆らってごめんなさい』って言ったら出してやってもいいかな」「勝手に出たら離婚だからな!」
そのまま、夫は仕事に行ってしまったようです。こんなところに赤子と妻を閉じ込めるなんて……!
スマホや娘のおむつやおしりふきは持ってきていたものの、ミルクはありません。私の両親はすでに亡くなっているし、義両親だってそう簡単に来れる距離ではありません。
すやすやと眠る娘を見ながら、必死で頭をしぼり……私は一か八かでとある人物に助けを求めることにしたのです。
助けて!
数時間後――。
私のスマホに夫から電話がかかってきました。
和室に閉じ込められて、途方に暮れる私を嘲笑いたかったのでしょう。
「お前は俺が養ってやってる寄生虫だろ?」
「子どもに飯を食わせたいなら黙って言うことを聞け」
「君はたいして稼いでもなにのに随分偉そうだな~」
娘にミルクをあげていた私に代わって、夫の電話に出たのは私の父の兄、つまり私の伯父でした。海外で暮らしている伯父は、年に数回日本に戻って来るのです。私の祖父の墓参りのために、毎年ちょうどこの時期には帰国するはず……と思って連絡したのですが、ビンゴでした。
隠しておいた合鍵の場所を教えて、伯父に和室から助け出してもらった私と娘。温和な伯父ですが、私たちの様子を見て怒り心頭でした。
「よくも僕のかわいい姪をあんなにボロボロにしてくれたね?」と穏やかな口調で言う伯父。「いや、これは俺だけが悪いんじゃなくって……」「専業主婦のくせに家事すらまともにしないんですよ!」「子どもの世話なんて片手間でできるのに、甘えてるんですよ!」と、まだ私のことを貶める夫。
夫がまったく育児に関わってこなかったことがわかったのでしょうか。伯父は大きくため息をついて言いました。
「そういえば、君のところの社長は元気か?大学時代の後輩なんだけど」