「気が利かなくてごめんな〜」完璧だった婚約者の恐ろしい一面を目撃…結婚をやめようと思ったワケは?
挙句、「お前の気遣いが足りないからだ」と義母を責めている声も聞こえてきました。
先延ばしにしても仕方がないと感じた私は、彼に「結婚は白紙に戻そう」と伝えました。
すると目を丸くして驚く彼。義父も「どういうことだ!?」と声を荒らげています。
義母に対する言動を見ていて結婚生活に不安を抱いたと伝えると、両親もこんな家に嫁がせるわけにはいかないと言ってくれました。
そして母は、義母の近くに歩み寄り、わるいことをしていないのに謝ることはない、いつまでも我慢をすることはないから自由になればいいと声をかけました。すると、義母の目からは大粒の涙が……。そして、「私、いつかこの家を出たいって思っていたんです……」と打ち明けたのでした。
元義母のその後
義父は動揺しているように見えました。しかし、この期に及んで、ただの専業主婦はひとりでは生きていけないのだから、素直に謝れと怒鳴ります。
さすがにイラッときた私は、何か言わないと気が済まないと思っていたのですが、どうやらそれは父も同じだったよう。
「それならお義母さん、うちの会社の社員食堂で働きませんか? こんなにおいしい料理がたくさん作れるのなら大歓迎だ」と、自分が働く会社にスカウトしました。どうやらこれまで食堂を切り盛りしていたおばあさんが定年するそうで、後釜を探していたようです。
荷物をまとめるように義母に告げ、そのまま一緒に彼の実家を後にした私たち。その後、弁護士の力も借りて無事に義母の離婚は成立。父の話では、生き生きと仕事をしているようです。
私も婚約を破棄したので彼とはそれっきりですが、義母になるはずだった彼女とは、今でも料理友だちです。やさしくて物知りな元義母。彼とは結婚しなくてよかったと心底思いますが、彼女が義母になってくれたら、とても楽しそうだったとほのかに思っているのでした。
女性を家政婦のように扱う男性がいまだに存在しているのは、とても残念ですね。家の中が整っていて、出来立ての料理が食べられる、そんな当たり前の生活を送れるのは、生活の基盤を作ってくれている人がいるからだということに、気づいてほしいと願います。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班