連載記事:「幸せ力」の育て方

子どもの「自分で考える力」を伸ばす子育て法(「幸せ力」の育て方 Vol.3)

「幸せ力」の育て方

「幸せ力」の育て方

自分の子どもが大人になったとき、「勉強はできるけれど、就職できない」「就職したけれど、仕事がつらくて病気になりそう」「収入は高いけれど、友だちがいなくて孤独」などという状態にはなってほしくありません…

「自分で考える力=自律的思考力」は、子どもが勉強するためにも必要ですが、将来、仕事をしたり、人生の問題を解決したりするためにも欠かせません。
自律的思考力を育むにはどうすればいいのか、子どもの発達心理などの研究を行っている内田伸子先生にお話を伺いました。

これからの子どもたちには、どんな思考力が必要なのでしょう

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子どもに質問されたとき、親の答え方次第で「考える力」が育つ

「考える力を育むことについて、いいお話があります」
と内田先生は、植物学者の渡辺万次郎さんのお話をされました。

渡辺さんは幼稚園に通うお孫さん2人に、ある花の名前を聞かれました。
それは「みやこぐさ」という花でした。
しかしその時、渡辺さんはあえて教えずに、その花を持ち帰らせ、庭でよく似た花を探させたそうです。
すると、子どもたちは自力でその花によく似たエンドウの花を見つけました。大人の力を借りずに、自分たちの力で見つけられたことに大喜びしたそうです。


エンドウの花には、豆がなっていました。
それを見た子どもたちは、みやこぐさを指差し「こっちの花にもお豆がなるの?」と質問しました。
渡辺さんはその質問にも答えずに、「来週確かめてみよう」と提案したのです。
そして、子どもたちは花が咲いたあとに小さなお豆を発見し、大喜びしました。

先回りして教えすぎない。考える余地を残す

「お孫さんたちは、『花の形が似ているから、同じように豆がなるかもしれない』と自分の頭で考え、おじいちゃんに尋ねたのです。すばらしい問いですね」

大人は質問に答えることはできますが、質問の仕方を教えることはできません。

「質問は、未来を導く道筋です。

疑問を持つこと、探求すること、考える力を育てておけば、将来、たいていのことは解決できます。
質問に答えることも大切ですが、親が先回りして何でも教えすぎると、自分で考える余地がなくなります」

時には答えを持ち越し、一緒に考えることを提案してみるといいですね。


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