2015年11月29日 04:15|ウーマンエキサイト

子どもの「自分で考える力」を伸ばす子育て法(「幸せ力」の育て方 Vol.3)


これからの子どもたちに必要な思考力は

さらに内田先生は「思考力は、2種類あります」と説明してくださいました。

1つは、答えが1つに収束するような、収束的思考力。
覚えた知識や経験をそのまま取り出し、「アメリカの独立記念日はいつ?」「5+8はいくつ?」というような問題に答える能力です。

もう1つは、答えが複数あり、答えにたどりつくまでの道筋も複数ある、拡散的思考力。
知識や経験を加工して、類推を働かせたり、因果推論を働かせたりして、暗記では解決できない文章問題などに答える能力です。

「どちらの思考力もベースには知識や経験が必要です。
ただし、今のお子さんたちが大きくなるころには、拡散的思考力を問う課題が増えてくると思います。大学入試も、二次試験は拡散的思考力がないと解けません」と内田先生は言います。


遊びや経験が「考えるもと」になる

拡散的思考力を使うと、答えからさらに問いが生まれ、思考がどんどん広がっていきます。
前述した渡辺さんのお孫さんたちは、自然に触れ、観察するという体験を通して、この拡散的思考力を発揮していました。

子どもは幼児期の遊びや経験を通して、自分で考えたり、工夫したりすることを学ぶのだそうです。
たくさん遊ばせて、さまざまなことを経験させて、その中で生まれた疑問に答えたり一緒に考えたりしながら、「自分で考える力」を育てるサポートをしていきたいですね。

(佐々木月子)

今回取材に協力してくださったのは
内田 伸子先生
内田伸子先生
十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。
専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。



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