診断の仕方と、診断後の生活について
前置胎盤の診断と分類は、経腟超音波検査(エコー)を用いて行います。胎盤が内子宮を覆っているかどうかをチェックするため、子宮の内と外を結ぶ子宮頸管を検出し、内子宮口の状態を検査します。子宮が収縮している場合は、前置胎盤でなくても“該当あり”と誤診される可能性があるため、場合によっては超音波だけでなくMRI検査(X線を使わず、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査)を行います。
前置胎盤と診断されたら、まずは安静を第一に考え、無理な運動や性交渉は控えましょう。また、出血症状がある場合は即入院となり、お腹が張らないように子宮収縮抑制剤を投与します。貧血を起こすほど出血がある場合は、鉄剤などの内服で改善処置を行います。
それでも出血症状が続いたり妊娠36週を超えたりした場合、自己血液の貯血など十分な輸血準備をしたうえで、帝王切開によるお産を行います。
前置胎盤と診断されても目立った出血がない場合は、安静後、妊娠36週以降に予定帝王切開を行います。
突然の出血がある可能性も考慮し、緊急帝王切開にも対応できる麻酔科やNICUのある総合病院・大学病院など、各機関と連携がある分娩施設でのお産が望ましいでしょう。
普段から注意することとは
前置胎盤の発症メカニズムは、現代医学でも解明されていません。そのため決まった予防法はありませんが、有害物質による害や血流の低下を招く喫煙や、受動喫煙を避けましょう。またママと赤ちゃんの健康状態に影響を及ぼすアルコールの飲酒も控え、健やかな生活を送るように心がけましょう。
前置胎盤はいずれも発症してからの対応となりますが、過去に流産や人工妊娠中絶など子宮手術を経験している方は、あらかじめ健診医または分娩医に相談しておくと万が一の対応もスムーズです。不安を減らし、安心してお産に挑める準備を整えておきましょう。