連載記事:つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと

Vol.2 夫は「ママの感性」を理解できない?


■ママがどれくらい追いこまれているか、夫はまだ知らない


―高濱さんもプライベートではそうだったこともあると伺い、妙に安心しました。
高濱:私は教育の仕事をしているので、「何で、今のママたちは、こんなにイライラしているのかな?」と、ジャングルを分け入るように見ていって、やっとわかりました。普通の男性だったら見えませんよ。だから「家の仕事は、お前の仕事だろう」くらいのことを、平気で言ってしまう夫がたくさんいるわけです。

ママがどれくらい追いこまれているかが、夫がわかっていない。男は、「ママの感性」が今ひとつ、ピンときていません。ガーッと、ものすごく心配になっちゃう感じとかね。そうなってしまっている妻に対して、「大丈夫じゃん?」と、軽く言ってしまう。


そうしたチグハグが積み重なって、もともと危ない状況のママが、余計に追いこまれてしまう。「夫がいること自体がストレス」みたいなママが出てくる。そこが教育者側からすると、壁ですね。

―壁というのは?
高濱:健全な子育てを阻害する障壁です。「夫は何もわかってくれない」と追いこまれてしまっているママたちがたくさんいるということがね。

子どもにイライラしてしまうのは、私だけのせいではないのかも…。

次回は、さらに話の核心に迫ります。

●高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。

1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック委員会理事。
保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30,000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。「情熱大陸」「カンブリア宮殿」など多数メディア出演もしている。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳なぞぺー』など、著書多数。




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