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「皆さまが考えているほど小学校受験は難しくありません。
難関と言われる幼稚舎、早実、青山学院、暁星、雙葉でも同様です」と言うのは、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さん。子どもの現状を的確に把握し、正しい対策を行えば、おのずと志望校からご縁をもらえる確率は上がるという。
■小学校受験の特徴
「小学校受験は、模試の合否判定があてにならないという点で、ほかの受験(中学、高校、大学)に比べると特殊です」(浅木さん)。
小学校受験の場合、入試の合否判定は、ペーパーテストだけでなく、巧緻性(こうちせい)や行動観察、親子面接などが含まれる。巧緻性というのは、一般的には手先の器用さや指先を使う能力のことだが、小学校受験の場では箸の扱いが正しいか、雑巾をきちんと絞れるか、のりやはさみの扱いが正しいか? といったことを指す。また、行動観察というのは、友だちと仲良くできるか、自分の意見を明確に言えるか、ゲームを楽しみつつもルールが守れるか、などだ。
学校ごとに合否基準も異なるため、一概に模試の結果が合否の判定材料にならない。
このように合否基準が曖昧なので、親がさまざまな噂に振り回されてしまいがちなのだ。
■小学校受験をして得られること
浅木さん自身、中高生の受験指導をしていた頃は、そんな小学校受験に対して良いイメージを持っていなかったそう。
「でも、実際に小学校受験の指導をしてみて、考えが変わりました。
小学校受験は正しいアプローチで取り組めば、子どもは学ぶ喜びを知ります。また、人格の基礎を形成する幼少期に『自分はやればできる』という自信をもつこともできます」(浅木さん)。
この記事を書いている私は、長男の中学受験を体験したことがある。受験は、ともすれば「志望校に合格できるか?」が唯一最大の関心事になりがちだ(もちろん、『合格』は大事なことだが)。
けれども、「受験という体験」を、もっと有意義なものにするためには、「知ること、経験することは楽しい」「努力すれば自分は前に進むことができる」といった感覚を子どもが感じられるようにしないと、もったいないと思う。