コミックエッセイ:おかっぱちゃんの子育て奮闘日記
「大苦戦! 食べない1日3回の離乳食」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.35
生後7ヶ月を前にスタートしたちょっと遅めの離乳食。1日1回食から、2回食まへと進み、そろそろ3回食に進もうというところ。1日3回、離乳食を作るのだけでも時間がえらくかかるのに、それに加え食べさせるだけでも更に時間が必要で、この時期となると、息子にごはんを食べさせるためだけに1日を過ごしているといっても過言ではなくなってきた。
ドロドロに煮たお粥から、半粥、そしてごはんと、固さも少しずつ大人用のごはんに近づいてきた。野菜にお魚、お肉、果物、乳製品、日に日に増えていく食べられるようになった食材たち。赤ちゃんから子どもへと進化していく過程を、食べ物からも読み取れる。
これまで順調に進んでみえた息子の離乳食。それが、ある日突然まったく食べなくなってしまったのだ。
「はて? どうしたものか」。
大好物のアボカドと、納豆だけはムシャムシャと食べる以外、スプーンですくって口に運んでやっても、まったく口を開かない。息子は、わたしの手料理をほとんど食べてくれなかった。
一生懸命、時間をかけて作った料理を食べてくれないとなると、さすがに悲しくてやるせない気持ちになってくる。「まずいのかしら…?」と心配になり、夫に味見をしてもらうと「普通に美味しいけどなぁ」と答える。
もしかしたら手づかみなら食べるかもしれないと、パンをちぎってわたしてやると、嬉しそうな顔をしてパンをおもちゃのように、潰して遊んだ後、終いには「ポーイ!」と、放り投げてしまう。
大好物の納豆をあげようものなら、それはそれは悲惨な状況に…。息子は手で納豆をすり潰した後、ネバネバのドロドロになった両手でシャンプーをするかのように頭をもみ始める。髪は納豆がへばりついて、まるで大仏のようになっている。
それに加え、テーブルの下は放り投げた米粒や野菜のクズなど、ありとあらゆる食べ物だらけで毎度掃除をするのが苦痛で仕方なかった。なぜ、こんなに散らかすのだろうか。
「どうして食べてくれないの~!」とイライラが募り、食事の時間がくるたび頭を抱える始末。わたしはどうしても息子にごはんを食べてほしい一心で、何度も食事を口に運んでみるも、撃沈。息子は2週間もの間、ほとんど食事を取らず、ミルクだけで過ごしたと言ってもいい。それくらい、食べてくれなかったのだ。
そのころ、伝い歩きが上手になってきたこともあって、運動量が増えたのか、むちむちだった手足がほっそりしてきた。体重まで減ったのではないか?と、息子の状況に、わたしは毎日そわそわしていた。
食べてくれないことがこんなにも母を心配させるとは…!
自分ではどっしり構え、ラフな子育てができるタイプと思っていたのに、意外にも自分が神経質だったことに驚く。そういえば、わたしの母も偏食だったわたしに「ちゃんと食べなさい~」と、繰り返していたように思う。これが血というものか。
そのころ、わたしはどこにいっても「ごはん食べて~」と言いながら、息子を追い回していた。3歳の娘がいる友達に、そのことを話すと「そのうち絶対食べるようになるから、あんまり心配しないで大丈夫だよ~。おおらかな気持ちで臨んで~」と、アドバイスを受けた。
そうかそうか、おおらかな気持ちが大切ね…。心を入れ替え、新しい気持ちで向き合ってみよう。椅子とテーブルの下にレジャーシートを引き、息子を適当なTシャツに着替えさせ、どんなに散らかしても、汚しても良い状態にし、自由に食べさせることにした。