上の子が着ていた服を下の子にも着せれば経済的。姉、兄がいるなら、
「おさがり」を活用することは、いまでも珍しくありません。しかし、赤ちゃんのうちはいいけれど、幼稚園児くらいになると、不満を持つ子も出てきます。こうした子どもたちの不満を少しでも解消できる方法はないものでしょうか。
■子どもから見た不満の理由
私自身、「妹」という立場でした。だから、姉のおさがりが多かったことを覚えています。大人になったいまでは、親の気持ちが理解できます。でも当時はなぜ自分には新しい服を買ってもらえないのかと不満でした。
とくにお出かけ着! 姉と同じタイミングで買ってもらうことが多く、そうすると大きくなったときには姉が着ていたものが「おさがり」として渡されます。そうすると長い期間のお出かけ着が、ずっと同じデザインということになってしまうのです。
親戚や友だちの子ども、妹や弟が「えー、またお姉ちゃんの服なの?」と文句をいっているのを耳にすることがあります。姉だけは毎回新しい服、妹は古い服ということが、
子ども心にも傷ついてしまうのです。
■おさがり服にちょっとした工夫を
おしゃれな子ども服を見つけると、つい姉妹セットで購入してしまうというHさんは、小学3年生と幼稚園年長の双子と、3人の娘を持つママ。双子のコーデはかわいらしいので買ってあげたい気持ちがあるのですが、着られなくなった長女の洋服がもったいないと思っていました。
姉の服があるのに、あらたに双子分の服を買うとお金もかかります。でもおさがりがおもしろくない双子の妹は、駄々をこねるようになってきました。
そこでHさんは、
おさがり服をリメイクすることに。リボンやレースでデコレーションしたり、双子のそれぞれの好きなキャラクターのアップリケをつけたり。「ママが特別に作った、あなただけの洋服よ」と渡すそうです。
「
『自分だけ』というワードや、
『プラス』という点がうれしいようで、いまではおさがりをいやがらなくなりました」(Hさん)
こうした特別感を演出してあげると、おさがりではなく新たな服として受け入れやすくなりそうですね。
■洋服の選択権は妹に
「うちは子どもが多いので、洋服はおさがり前提で買います」という、三姉妹のママ・Sさん。小さいころは素直に着てくれたそうですが、幼稚園に入るころになると、妹たちから不満が出るように…。
「一番上の子の服を
妹たちに選ばせてあげることにしたんです。お姉ちゃんは新品が着られるという特典で気持ちを少し我慢してもらって、次女、三女が着たいデザインを選ばせています」(Sさん)
自分が選んだ服だからか、不満が減るようになったそう。
おしゃれに目覚めたばかりのときは、服を選ぶことも楽しみのひとつですから、それをかなえてあげるだけでも不満が解消されるかもしれません。
■ママ友と協力する
Kさんは、小学生と幼稚園の男の子のママ。子どもたちはデザインに対してのこだわりはあまりないけれど、お友だちが「おさがりはイヤ」といっているのを聞いてから、自分もまねておさがりを拒否するようになったそう。
「次男と同い年の子がいるママに相談したら、同じような悩みを持つ人が何人かいました。そこで、
お互いの服を交換することに。おさがりには変わりないけど、次男は初めて見る服だからかバレていないようです」(Kさん)
似た境遇のママ友と協力することで、洋服が無駄にならずにすむのはいいですね。
こうしておさがりをうまく活用するママは多いですが、どの家庭でも共通しているのは、「おさがりだけにせず、新品も必ず買うようにしている」とのこと。
「自分だけお金をかけてもらえない」というのは、
「自分は愛されていない」という気持ちにつながってしまうこともあります。
「お姉ちゃんのほうが大事なんだ」なんて、ひがむ気持ちがおさがり拒否につながることも。経済的にもモノを大切に扱うことでもおさがりは必要ですが、上の子と下の子の
気持ちのバランスを上手にとっていきたいですね。