手ぬぐい押し小学生の型破りなクリスマス【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第7話】
夫と妻、二人家族の友人に、おたくは毎年どんなクリスマスを過ごすんですかと尋ねると「カニを食いながら映画を観る」という思いがけない答えが返ってきた。映画は、一般にクリスマス映画には分類されていないけれど実はクリスマスにまつわる映画、という線で毎年チョイスするそう。
なんだかすごくいいなぁと思った。鶏肉を焼くとか、ケーキを食べるとか、竹内まりやを流すとか。これさえやっておけば合格、というような、世に溢れるクリスマスからは大きく道を外れていても、独特であればあるほど、それが成立する関係性の背後には、二人だけの、重厚な時間の蓄積がある。
「うちのクリスマス、毎年決まってシシャモを食べるんだよ」とか、子どもたちが大人になったとき小話の一つにでもなるようなクリスマスの慣習を私も作りたい。友人夫婦の過ごし方にそこはかとないロマンを感じながら、やっぱり今年も鶏肉を焼き、チョコレートケーキをこしらえ、マッシュポテトを練った。コテコテである。
世の中にはクリエイティブな人とそうでない人がいるが、こうして例年、コテコテから抜け出せない私は圧倒的に後者である。クリエイティブな人たちというのは先にあげた友人のように、他の人には見えない文脈に気づいて、具現化したり、実行したりして、価値を与えることができる。型にはまらないやり方を選ぶ。
そういう意味で、親の私が言うのもなんだが娘・夢見はかなりクリエイティブな方なのである。先日、クラスの友人たちが集まるクリスマス会に参加することになった夢見。集まった子ども同士で交換するプレゼントを持っていく必要があるというので、「どこに買いにいく?」と尋ねると、迷いのない表情で「手ぬぐい屋」と答えた。「手ぬぐい屋……?」念のため再度聞き返すと、「そう」と。
確かに夢見は昔から和柄や和小物が大好きなのであって、ついでに自分のプレゼントも買ってもらう魂胆らしい。
うちでは一昨年、届いたプレゼントの包装から“サンタクロース=Amazon説”が持ち上がり、疑われたことに怒ったのか、以降サンタさんはやって来ず、プレゼントは親が買い与えることとなったのだ。
……自分のプレゼントにはまあ好きなものを選べば良いけども、同級生にあげるプレゼントの方はせめて、サンリオショップとか、イオンの文房具屋とか、最大公約数を選ぶべきでは。そんな苦言が喉元まで出かかって、でもぐっとこらえる。「まんだらけ」とは言わないだけ、彼女なりに相手のことを考えているのだ。夢見の希望通り、手ぬぐい屋に向かった。
店に入った瞬間、夢見はぱっと顔を輝かせた。興奮気味にあれこれ手に取りながら、「どの柄もよくて決められな~い!」と悲鳴をあげる。
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