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男の子は、「ママとはまったく違う生き物」。男の子の特徴を知ることで、「何で!?」「どうして?」というママたちの気持ちを、「これは男の子の特徴なんだ」と納得モードに切り替えることができます。
ママから見ると、ため息をつきたくなる行動ばかりだけれど、そんな男の子の特徴を知って、接し方を少し工夫するだけで、ママは随分と楽になることでしょう。お話を伺ったのは、花まる学習会代表の
高濱正伸さんです。
■行動が遅い男の子は「個性」で認めない
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男の子の「行動が遅い」というパターンには、2種類の意味があります。それぞれ別問題なので、別個の話としていくつかの事例を使ってご紹介しましょう。
①「ひとつひとつの行動が遅い」場合
例)朝、洋服を着替えるのに時間がかかるという男の子
【ママの接し方のコツ】
「個性」だと認めず、根気よく声かけを
「ひとつひとつの行動スピードは、ある程度までは上げないといけません。美意識からではなくて、『現代の厳しさ』という意味からです」(高濱さん)。
高濱さんは言います。「近年の教育で間違っていたことのひとつは、なんでも『個性』で認めすぎてしまったところです」。
たとえば、「ごはんを食べるのが遅い子もいます」と多少認めることは問題ありませんが、それも程度問題。あんまり遅いと、その子が社会に出たときに苦労します。
現代の日本社会で働いていくためには、「トロい人は正直困る」というのが、みんなの共通感覚でしょう。基本的に、子どもに対しては
「テキパキできるのがカッコいいよね」というスタンスで、根気強く声掛けをしてあげることが大切です。
②動作への「取りかかりが遅い」場合
例)朝起きて、洋服に着替えるのになかなか取りかからない男の子
【ママの接し方のコツ】
言葉だけでなく、体をさわりながら指示を
「早く、洋服着替えてね」と言っているのに、「は~い」と返事をするもののパジャマのままブロック遊びをしている…。これが「取りかかりが遅い」ということです。
「やっていることがおもしろいとやめられないのが、男の子の特徴です。男の子には、何歳になってもそういう側面があります」(高濱さん)。高濱さんの経験では、口だけの指示でなく、肩でも頭でもさわりながら指示すると、声かけが体に入っていきやすいようです。
■「字をきちんと書く病」の男の子は伸び悩む!?
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「平均して、男の子のほうが字は汚くなりがちです」(高濱さん)。
でも、低学年時代にママが「この子、字が汚いんです」と言うときは、「常にいつもきれいに書いてほしい」というママの想いが強すぎる、という事例がほとんどだそう。
学校に入ってしまうと、学校の様子をママが垣間見るのは、連絡帳やノートからだけ。だからとくに低学年時代は、子どもにガミガミ言ってしまいがちなのだとか。
【ママの接し方のコツ】
ママの意識こそ変えるべき
「男の子に対しては、字は書くべきときに書ければよいと割り切ってください」(高濱さん)。
たとえば、年賀状や硬筆の時間などの、ちゃんと書くべきときにきれいに書くことができていれば充分。かえって高濱さんが
「きちんと病」と呼んでいる状態に陥ってしまう方が怖いそうです。
「きちんと病」とは、ノートをきれいに書くことばかりに神経を使ってしまい伸び悩みに繋がること。これは、「最初の子」かつ「男の子」の場合に多くあるそう。
もちろん、汚い字が良いということではないですが、「字がきれいでもまったく頭に入っていないのでは本末転倒。
「必要なときにきれいな字を書ける、頭の回転が速い子」に育てたいもの。「ここは、
お母さんの意識こそを変えるべき項目です」(高濱さん)。