PTA改革が加速中!スリム化や解体、入らない人の増加も


■PTAにも個人情報保護法が適用「今年度の名簿作り、どうする?」

PTA改革が加速中!スリム化や解体、入らない人の増加も

ⓒtakasu-stock.adobe.com


この平成30年度(2018年度)からPTAには大きな変化が起きます。

というのも、平成29年5月30日に個人情報保護法が改正となりました。改正前は、5000人以下の個人情報を取り扱う事業者は法の対象外とされていましたが、改正後はすべての事業者に個人情報保護法が適用されます。これには当然、全国の小学校のPTAも適用対象に! これによってPTAがどう変わるかというと、日本PTA全国協議会はホームページでこうアドバイスしています。

「学校と協議の上、保護者から個人情報を集める際に、PTAに提供することをきちんと通知して集めること」

つまり、これまで学校から生徒名簿をもらって各家庭に電話連絡などをしていた場合、それはできなくなり、PTAが独自に個人情報の提出を求めなければならないということになります。具体的には「PTA名簿へ個人情報提供のお願い」という主旨のプリントを配り、保護者の名前、住所、電話番号、メールアドレスを記入して提出してもらうということになるでしょうか。

厳密にいえば、そのプリントも各クラスの担任教師経由ではなく(教師が個人情報を目にできるので)、PTA役員が教室に出向いて回収するなどの手間がかかってくることになりそうです。改正が昨年5月だったので、昨年度始めの4月に作成した名簿はセーフということにしていた学校が多いようですが、今年度からはきちんと対応しなければなりません。


ここで有利になるのが、「PTAに入りたくない」と考える人。非加入を申し出ていれば、住所・電話番号などの個人情報もPTAには知られないはずなので、以後、「加入してください」という電話や手紙はこなくなります。

日本PTA全国協議会では「個人情報保護法とPTAへの入退会については、別の話です。PTAについては、入学説明会などでしっかり説明し、主旨や目的を伝え、すべての保護者の方の加入が望ましいことを伝えることが大切です」とアドバイスしていますが、実際には非加入者が増えることになるかもしれません。

この改正には「取得した個人情報は安全に管理する」という項目もあるので、PTA会員名簿を置いてあるPTA室や書類棚に鍵をかけていないのであれば問題になってくるでしょう。PTA室には鍵をかけ、誰がいつ入室したか分かるメモなどを置いていく必要が出てきます。

このようにシステムが変わると、結局は現役の役員がそれに対応しなくてはならず、負担が増えがち。今はまだPTAが変わるプロセスの初期段階で、全国的にスリム化、組織改革、非加入容認などが進んだ「ホワイトPTA」になるまでにはまだ時間がかかりそうですね。



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