連載記事:発達の専門家に聞いた外遊びの効果
外遊び、子どもの年齢別でどう変わる?【発達の専門家に聞いた外遊びの効果 第3回】
■5歳以上になると外遊びは変化する
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――では5歳以上の子どもたちは、どういった遊び方に変化していきますか? また、親のかかわり方は変わってくるのでしょうか?
5歳以上になると、何かに
挑戦するという遊び方が増えてきます。この時期になると、親がいっしょに遊ぶことは次第に減ってきて、寂しいと感じる人もいるかもしれませんね。安全確保はしっかりととり、共感してあげることも重要です。
子どもに自分を重ねてしまい、ついつい心配しすぎてしまう人もいるかと思いますが、子どもには子どものやり方があるので、これくらいの時期からは
自主性を伸ばしてあげることに注力してあげてください。その子らしい発達を促していかれるように、子どもが今何を感じているかということを一番に考えてあげてください。
■外遊びにおいて一番大切なこととは
――外遊びで持って行くといい道具があれば、ぜひアドバイスをお願いします!
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5歳くらいまでの子どもたちにとって
“自ら遊びを作り出す力”が奪われてしまうので、ボールやラケットといった遊び道具は必要ないと思います。
虫メガネは自然を観察するときにとても便利ですし、子どもも喜ぶと思うので、おすすめです。また、
スケッチブックなどのお絵かき道具も、外遊びの時間を有意義にしてくれますよ。
ビニール袋を持って行って、拾ったものを入れさせてあげるといいですね。拾ったものは、その日楽しかった体験の象徴です。安全かどうか確認したうえで、持ち帰らせてあげてほしいと思います。
――石崎先生は外遊びで一番大切なのはどんなことだと考えていますか?
外遊びというとお母さんにとっては大変なイメージがあるかもしれませんが、身近で気軽に行うのが一番です。無理に遠い公園に行こうなどと考えず、普段から遊んでいる近所の公園でも、工夫することで十分楽しく過ごすことができますよ。
家族で自然の中で幸せな時間を過ごして、ぜひ外遊びを癒やされるような時間にしてもらいたいと思います。
石崎一記さんプロフィール
東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。
※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)