連載記事:知っておきたい予防接種! 最新ワクチン情報
子どもの予防接種、忘れていませんか? 1歳になったらすぐに受けたいワクチン【知っておきたい予防接種! 最新ワクチン情報 第4回】
■子どもの予防接種「1歳で受けるワクチンが多いワケ」
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1歳になると、受けられるワクチンが増えることもあり、0歳から受けているワクチンの追加接種も含めると、再び
予防接種のピークが訪れます。では、なぜ1歳で受ける予防接種の数が多いのでしょうか? 理由は2つあります。
1つ目は、追加接種をしてこれまで0歳の時に受けてきたワクチンで得た
免疫を高めるためです。ワクチンを追加接種することで、体の中にできた免疫をより強くて長持ちさせることができます。
日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」No.07「生後1歳に接種するワクチン」より
2つ目は、
生ワクチンを受けるのに1歳という年齢がちょうどいい時期だからです。生ワクチンとは、病気を起こすウイルスを弱くして、病気を起こさずに免疫だけをつけるように作られたワクチンで、麻疹風疹混合(MR)や水痘、おたふくかぜなどがあります。
1歳になるまではママからもらった抗体で赤ちゃんは守られていますが、1歳を過ぎるとほぼなくなります。また、抗体があるうちは生ワクチンの効果が弱まるといわれています。そこで、1歳になって受けるワクチンが増えるのです。
子どもが1歳になる頃には、つい忘れてしまいがちな予防接種ですが、
感染症にならない・感染症を広めないためにも、確実に接種しておきたいですね。
■麻疹・風疹混合ワクチン(MR) 症状と予防接種
【どんな病気を予防できるの?】
麻疹…主な初期症状は発熱、せき、鼻水などです。一旦は熱が下がったようにみえますが、再び39℃以上となり、口の中に白いぶつぶつが見え、皮膚に発疹が現れ、全身に広がります。
肺炎や脳炎の合併症を引き起こすと死亡することもあります。
風疹…主な症状は発熱、発疹(麻疹より淡い色のぶつぶつ)、首の周りや耳の後ろのリンパ節のはれです。脳炎や血小板減少性紫斑病の合併症を引き起こすことがあります。感染しても症状が出ない不顕性感染が15~30%程度あります。妊娠20週頃までの女性が感染すると胎児にも感染し、生まれた赤ちゃんが先天性風疹症候群という重い病気を発症することがあるので、注意が必要です。女性が接種する場合は妊娠中を避け、接種後も2カ月間は避妊しましょう。
【予防接種の時期や回数】
定期接種。計2回接種します。
1回目を1歳になったらなるべく早めに、必ず2歳までに完了させます。2回目を小学校入学前の1年間(幼稚園や保育園で年長の時)に受けます。
■水痘 症状と予防接種
【どんな病気を予防できるの?】
水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスに初めて感染することでおこる病気です。発熱とともに全身にまばらで盛り上がった発疹が出てきます。発疹の状態は、赤い発疹→盛り上がった発疹→水ぶくれ→膿を持った発疹→かさぶたと変化します。発疹のすべてがかさぶた化するまで7~10日程度かかり、感染力がなくなります。水痘は感染力が非常に強く、集団保育などで同じ部屋にいるだけで感染します。予防接種をしておけば、かかったとしても症状は軽く済みます。
【予防接種の時期や回数】
定期接種。1回の接種では効果が不十分なため、2回の接種が必要です。かかったことのない生後12~36カ月未満の子どもが対象。1回目を1歳になったら早めに受けます。3カ月以上の間隔をあけて、おおよそ6~12カ月後の間に2回目の接種をします。万が一、定期接種の年齢から外れてしまった場合でも、2回のワクチン接種をすることで十分な免疫を得られます。定期接種化されたのは2014年で最近のこと。歳の離れたきょうだいだと接種していない場合もあるので、確認してみましょう。
・日本小児科学会
・知っておきたいわくちん情報
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