連載記事:ママがラクになる“赤ちゃんの寝かしつけ”
寝ない子ども「どうして子どもは寝るのが下手?」眠りの環境3つの約束【ママがラクになる“赤ちゃんの寝かしつけ” 第2回】
■「子どもの眠り」土台つくり1:明るさ・温度・音楽
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愛波さん:まず、1)の「睡眠にかかわる環境」ですが、子どもが朝までぐっすり眠るためには、寝室の環境が重要になってきます。就寝時の照明はすべて消すのが基本。遮光カーテンをつけて、真っ暗な状態で朝まで眠らせるのが理想です。ただ、真っ暗だと夜中の授乳やおむつ替えが困難な場合は、足もとを照らす
おやすみライトを利用してみましょう。
音に関しては、無音の方が睡眠には良さそうですが、なかには不安を感じる子もいます。特に月齢の低い赤ちゃんにその傾向が強く、そのような場合は、安心して眠れる
ぐっすりノイズを流すのがコツ。テレビやラジオの砂嵐の音や波の音などが該当するのですが、換気扇の音や専用のCDなどを代用するのも手。流す時は、寝かしつけから朝起きるまで流しっぱなしにすると、たとえ夜中に起きたとしても、子どもは安心してまた眠りにつく確率が上がります。
また、室温は一年を通して20〜22度を目安に、子どもの様子を見ながら適宜エアコンの温度を調節してください。私のところに相談に来られるママたちからも、「室温を下げて涼しくしたら夜泣きがなくなった」という報告をたくさんいただいています。
――少し寒いぐらいのほうが子どもにはちょうどいいとは意外です! これもすぐ実践できそうですね。
愛波さん:睡眠環境はほかにも整えるべきことはありますが、まずは身近な照明と音、室温の改善を実践してみるのがいいでしょう。
■「子どもの眠り」土台つくり2:ママの幸せ
愛波さん:続いて、2)の幸福度について話をすすめますね。幸福度とは、心がどれだけ満たされているか、その度合いのことです。
前回の記事でも触れましたが、私自身、心が満たされていない時は育児に対しても消極的でした。それが寝かしつけの改善を機にハッピーになり、子どもにも優しく接することができるようになったのです。
つまり、ママの心が満たされていれば子どもの心も安定して、結果として寝かしつけがスムーズになるというのは科学的にも証明されています。(参考文献:
Wendy A. Hall, Melissa Moynihan, Radhika Bhagat and Joanne Wooldridge, Relationships between parental sleep quality, fatigue, cognitions about infant sleep, and parental depression pre and post-intervention for infant behavioral sleep problems,
BMC Pregnancy and ChildbirthBMC series – open, inclusive and trusted201717:104)
逆に、ママ自身が疲れていたり忙しすぎると心に余裕がなくなり、その気持ちが子どもにも伝わり、ぐずったり睡眠トラブルが起こりやすくなると言われています。そのため、睡眠不足になり、悪循環におちいることも…。親子にとってどちらが幸せなのか、言うまでもありませんね。
――では、ママの幸福度を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
愛波さん:日頃、頑張りすぎているのですから、時には、ママや妻をお休みしてはいかがでしょうか。家事の手抜きをしたり、パパや公共のサービスに育児を助けてもらうなどして、ママ自身がリフレッシュする時間を設けてみましょう。ママがご機嫌なら、子どもも安心して眠れるのではないでしょうか。
■「子どもの眠り」土台つくり3:生活リズム
――仕事や育児に没頭しすぎると、いつの間にか心も体も疲弊してしまいますからね。もっと気楽に過ごすことも大切ですね。
愛波さん:土台1)、2)が理解できたら、最後は3)の生活リズムの見直しです。子どもは、次に何をするのかわかっていると安心しますし、体もその流れに慣れて、リズムができます。つまり、寝るまでの流れ(ルーティン)をつくっておくことが大事なのです。
例えば…
お風呂に入る→パジャマに着替える→絵本を2冊読む→ぐっすりノイズをつける→電気を消す
上記のような流れはいかがでしょうか? このルーティンは新生児からでも始められます。とにかく一貫性をもって毎日続けることで、いつのまにかママと子どもの寝る前の“儀式”になり、寝かしつけもスムーズになるでしょう。こちらもぜひ、毎晩意識してトライしてみてください!
睡眠には精神を活発にしたり落ち着かせる作用があるほか、疲労回復、記憶力アップ、ストレス解消、肥満を防ぐなど、さまざまなメリットがあるそうです。逆に睡眠不足は集中力の低下、イライラして短気になる、自主的に遊ぼう・学ぼうという能力の低下などを招くそうです。
大切なお子さんの将来のためにも、あらためて普段の睡眠を見直してみてはいかがでしょう。もしトラブルを抱えているようでしたら、まずは睡眠の土台づくりから試してみてもよさそうですね。
参考図書:
『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社)
愛波 文著/西野精治監修 1,200円(税別)
これまで経験値でしか語られてこなかった赤ちゃんの睡眠対策。日本人で初めて子どもの睡眠コンサルタント国際認定資格を取得した著者と睡眠研究のエキスパート西野精治先生が、科学的エビデンスに基づいて日本人の生活スタイルに合わせた解決方法を紹介。夜泣き、寝ぐずり、早朝起きなど、ママやパパを悩ませる赤ちゃんたちの睡眠トラブルを解決します。
取材・文/長谷部美佐
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