【医師監修】子どもの便秘「良いうんち・悪いうんち」あなたの子どもは大丈夫?
■猛暑が便秘を引き起こす?「大人も子どもも“大腸が砂漠化”!」
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記録的な猛暑日が続くこの夏。松生先生にはぜひ子どもを持つママに警告したいことがあるそうです。それは“大腸の砂漠化”。この暑さのせいで本来、水分が多くあるべき大腸がまるで砂漠のように乾燥してしまっているといいます。
「この7月は、クリニックの外来で例年の1.2倍の薬を処方しました。毎日、気温35度を超えるような暑さですし、10度以上の寒暖差がある日もあって、大腸が温度変化についていけず、便秘や下痢になる人が増えているのです。大人も子どももたいへんですね。
小さいお子さんを持つママ自身も、暑い中、子どもを遊ばせるために屋外へ出て、干からびているのでは。
特に便秘で困っている人が増えています」(松生先生)
どうして、大腸内の水分が減ってしまうのでしょうか?
「実は、水や飲料の水分のほとんどは、小腸で吸収されてしまいます。そのため、大腸には水分を多く含む消化物(食べ物)を送り込むことが必要で、その中は泥状の食物残渣(しょくもつざんさ)で多く占められています。
しかし、暑さのせいで食物摂取量や食物繊維摂取量が少なくなったり、発汗量が多くなったりすると、その残渣の量が減少し、大腸内の水分量が減るんです。泥状の残渣は水分が少ないと固形化しやすく、排出しにくくなるわけです。干からびた食物残渣が腸内に蓄積したようなイメージです」(松生先生)
簡単に言えば、大腸が水分不足になるので、うんちが固くなってしまうということ。まさに砂漠化で、その原因としては「発汗量の増加」「食事量の低下」があげられるのです。夏バテで食欲がない子どもも多いですが、それが便秘の原因になっているかも? 夏にはよくあることですが、あまり軽く見ないほうがいいでしょう。
「放置すると、干からびたような薄い食物残渣がひとつに固まらず腸内に貯留するような状況になり、腸の蠕動運動が低下。
腹部にガスがたまりやすくなって、腹部膨満感や排便障害、便秘などが起こりやすくなってきます」(松生先生)
暑い時期、子どもが「うんちが出ない」と言ったり、おなかに違和感を覚えている様子があったら「砂漠化」に注意! 病院で診てもらうことを視野に入れ、家庭内でも食事でできる改善策を考えてみましょう。
子どもの便秘が続く場合、要注意のうんちが出た場合などは、まずは食生活から見直してみましょう。次回は、ふだんから便秘予防として実践したい食事法をご紹介します。
参考図書:
「子どもの便秘は今すぐなおせ」
(主婦の友社)
松生 恒夫著 1,200円(税別)
子どもの腹痛・イライラ・学校嫌い…それ、「便秘のせい」かも! ? 「母親が便秘なら子どもも便秘の可能性大! 子どもは約5割が便秘ともいわれているのに、気づかない親が多いのです」。便秘外来で多くの子どもを診療してきた松生恒夫医師が、子どもの隠れ便秘のチェック方法、改善法を紹介します。新生児〜6カ月、6カ月〜3歳まで、3〜12歳、12歳以降ではつまる場所、原因、対策などが違う子どもの便秘。特に幼児~小学生ママ必見の1冊です。