妊娠がわかると、ママに交付される母子手帳。しかし、検査薬で妊娠がわかってすぐにもらえるわけではありません。
もらいに行く時期や方法、「もしも」のときに役立つ情報まで、母子手帳にまつわる情報をお伝えします。
■母子手帳とは?
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母子手帳の正式名称は
「母子健康手帳」といいます。社会情勢や保健医療福祉制度の変化、乳幼児身体発育曲線の改訂に応じて、その時代に合った様式に変化してきました。
日本で妊娠した女性であれば、役所に妊娠の届けを出した時点で手渡される母子手帳。
妊娠の届け出は、妊娠が判明してすぐの段階で行うわけではなく、産婦人科の診察で心拍の確認がされる6~10週頃といわれています。病院から母子手帳の手続きをするように指示されることも。
母子手帳は、英語では「Maternal and Child Health Handbook」と訳します。しかし、アメリカをはじめ、英語圏には母子手帳がありません。日本で妊娠・出産をする外国人には、外国語版母子手帳の準備をしている自治体であれば、外国語版母子手帳が交付されます。
■母子手帳の役割と歴史
現在の母子手帳のはじまりは、昭和17年に始まった
「妊産婦手帳」です。現代の母子手帳と同様、届け出により交付され、保健所や医師、助産師による保健指導の結果を記載してもらうものでした。妊娠や育児に関する必要物資の配給時にも使用されたそうです。
現在の母子手帳のように、乳幼児期から小児期までに期間が拡大されたのは、昭和23年のこと。このときに「母子手帳」という名前に変更されました。その後、昭和40年に制定された母子保健法に基づき、「母子健康手帳」に名称を変更。現代に至るまで、何度か様式の改正が行われています。
妊娠中から乳幼児期までの健康が、
母子手帳一冊で管理されることが、もっとも重要な意義です。
また、現代では妊娠中から乳幼児の子育てに関する情報が詰まった情報媒体としての役割も担っています。
■母子手帳のメリット
妊産婦に交付される母子手帳。当たり前のようにもらえるものですが、じつはさまざまなメリットがあるものなのです。あらためて、母子手帳を持つことで得られるメリットについてチェックしてみましょう。
▼子育て支援サービスが受けられる
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まず、大きなメリットとして挙げられるものが、
子育て支援サービスの提供です。
もっとも有名なものでは、妊娠中の
「妊婦一般健診の助成」でしょう。母子手帳とともに交付される助成券を提示すれば、出産までの14回の妊婦検診を公費で受診できます。なお、診察料は病院によって異なり、助成券のみで足りるところもあれば、追加で費用の支払いが生じるところもあります。
そのほかに受けられるサービスには、子育て支援センターでの
育児相談、妊娠中・出産後の自宅訪問、妊娠中に行われる妊婦教室への参加など。
自宅訪問とは、保健師や助産師が訪れるものです。こうしたサービスは、各自治体により内容が多少異なります。詳しくは、お住まいの自治体ホームページを確認してみてくださいね。
▼妊娠中から産後までの一貫した記録に
母子手帳の意義のところでも紹介したとおり、母子手帳の最大のメリットは、妊娠中から乳幼児期にかけての健康記録を、コンパクトな一冊の手帳にすべて記せることでしょう。
出産時の様子から乳幼児健診、
予防接種の記録などがすべてまとめられているため、異なる医療機関を受診しても、スムーズに子どもの状態を把握することが可能です。
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成人したのち、子ども時代に摂取した予防接種の確認をしたいときにも、母子手帳を見れば一目瞭然。予防接種は時代によって接種内容が異なるため、長きにわたって役立つものだといえるでしょう。
保護者が自由に書き込むページもあり、使い方によっては、
育児日記としての役割も果たせます。
■母子手帳はいつもらえるの?
母子保健法第15条では、妊娠した場合、妊婦は速やかに市町村長に妊娠の届け出を出さなければならないとされています。しかし、妊娠検査薬の技術の向上により、現代ではいち早く妊娠が判明できるため、検査薬が出た時点で届け出る必要はありません。
各自治体のホームページにも、「医療機関での診察を受けたのち」と記載されているケースがほとんです。
届け出を出すタイミングは、病院で赤ちゃんの心拍が確認できたあとが一般的。経過により多少の前後はありますが、9週頃には「次の健診までに届け出を出してきてくださいね」と指示されることでしょう。
■母子手帳のもらい方
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母子手帳は、日本で妊娠・出産を行う女性のすべてがもらえるものです。
もちろん、妊婦が10代であっても、未婚のシングルマザーであっても変わりません。近年見られ始めた事実婚夫婦であっても、母子手帳は必ず交付されます。
▼もらえる場所
母子手帳の交付は、区市町村役場の窓口のほか、各保健センターで受け付けている自治体もあります。
交付場所・窓口名は自治体により異なるため、正確な情報はお住まいの自治体ホームページでご確認ください。母子手帳とともに、父子手帳の交付を行っている自治体もありますよ。
▼必要なもの
母子手帳の交付に必要なものは、
「妊娠届出書」「マイナンバー確認書類」「本人確認書類」です。
「妊娠届書」には、主に以下のような項目を記入します。
- 妊婦の氏名、住所、生年月日、日中の連絡先
- 現在の妊娠週数、分娩予定日
- 妊娠の診断を受けた医療機関の名前、所在地、医師名
- マイナンバー
医療機関から証明書をもらっている場合は、一緒に持っていきましょう。
母子手帳の交付に証明書は必要ではないとしている自治体もありますが、医療機関の所在地や医師名が記載されているため、届出書を記入する際の確認用としても使えます。
その他、妊婦自身が届け出書を提出する際は、自治体によってアンケートの記入をお願いされることもありますよ。
▼代理人でももらえるの?
妊娠初期には、つわりや切迫流産など、妊婦が絶対安静を指示されることもあります。
妊娠届出書の提出・母子手帳の受け取りは代理人でも可能です。
ただし、代理人が母子手帳の交付手続きに行く際は、妊婦による委任状、妊婦のマイナンバーが確認できる書類、代理人の本人確認書類が必要です。
▼いつから使う?
もらった母子手帳は、妊婦健診を受ける際に必要です。次回の通院から持参しましょう。
■自治体によってデザインはさまざま!
母子手帳のカバーデザインは、自治体によってさまざま。
かわいらしいイラストのものから、サンリオやディズニーキャラクターなど、バリエーションが豊かです。同じ自治体であっても、発行年によってデザインが異なる場合もあるため、兄弟・姉妹でデザイン違いになることもありますよ。
また、サイズも自治体によってA6・B6・A5サイズと3種類のものが存在しています。母子手帳ケースの用意を考えている場合は、お住まいの自治体が交付している母子手帳のサイズを確認してからにするのがおすすめ。
もともとはもっとも小さいA6サイズが主流でしたが、近年では大きめのサイズのものを採用する自治体も増えてきています。
■母子手帳には何を書くの?
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母子手帳には、健診をした医師や看護師・助産師が記入する欄のほかに、妊産婦が自分で記入するページがあります。
まず交付されて最初に記入するのは、はじめのページにある妊婦の情報ページです。
氏名・生年月日のほか、年齢や職業、夫・パートナーがいる場合は同じく氏名・生年月日・年齢・職業を記入します。その他、現住所や電話番号、初診日・分娩予定日も記入しましょう。
あとは交付している自治体によって多少様式が変わりますが、現在の住居の状況(持ち家か貸家か、階段なのかエレベーターなのか、何階に住んでいるのか)、仕事の状況(立ち仕事なのか、ストレスの度合いはどうか)といった詳細情報を記入する欄を設けている場合もあります。また、マタニティブルーや虐待リスクの把握のため、簡単なアンケートを用意している自治体も少なくありません。
こうした「書かねばならない」欄のほか、マタニティ日記や育児日記として活用できるページには、自由にその時々の状態や感情を記しておくこともおすすめです。
■おしゃれな母子手帳ケースも!
「母子手帳をもらったら、おしゃれな母子手帳ケースを用意するんだ!」と楽しみにしていた方もいるのではないでしょうか。
母子手帳ケースは雑貨屋や赤ちゃん用品店のほか、ハンドメイド商品を扱うネットショップなど、多くの店でさまざまなものが売られています。
袋状のものから、蛇腹式のものまで、形態もさまざま。ポケットがたくさんついていて保険証や診察券がたくさん収納できるものもあれば、シンプルにすっと母子手帳を入れるだけのものなど、使い方に応じたものを選びたいですね。
なかには自作する方も。持ち歩きたくなるデザインのものを手に入れましょう。
■海外には母子手帳ってあるの?
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母子手帳は日本生まれ。冒頭でもご紹介したとおり、英語圏の国では特になじみのないものです。しかし、一冊の手帳で母子の健康を管理する仕組みは、海外にも受け入れられています。
はじめに定着したのは、インドネシアです。インドネシアに赴任した日本人小児科医が、現地での診察時に出生時の体重やワクチンの接種歴を尋ねてもわからず、記録も残されていないといった状況に直面し、日本の母子手帳を紹介したのがきっかけでした。
その後も日本の母子手帳は海外への輸出が進められ、現在では、世界30カ国以上で活用されています。ベースは日本の母子手帳ですが、中身はそれぞれの国の文化や医療保険制度が反映されています。
■こんな時はどうする?
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母子手帳をなくしてしまったり、考えたくはないけれど、母子手帳をもらったあとに流産をしてしまったり。「こんなとき、どうしたらいいの?」についても確認しておきましょう。
▼母子手帳を失くした
ママも人間。「気をつけていたのに、母子手帳をなくしてしまった…」、そんなこともありえないとはいえませんよね。
もしなくしたとしても、安心してください。母子手帳自体は、また役所や保健センターに行けば再交付してもらえます。再交付にかかる費用は無料であることが一般的。細かいルールは自治体により異なるため、正確な情報はお住まいの自治体ホームページや問い合わせ窓口で確認してください。
母子手帳を再交付してもらったら、出産時の状況や子どもの定期健診の結果、予防接種の記録などを再度記入してもらっておきましょう。
病院にはカルテを数年間保管する義務があるため、お願いできるケースが多くあります。あらかじめ該当時期の再記入をお願いできるかどうかを確認してみましょう。
また、乳幼児健診の結果は、自治体で再記入をしてくれる場合も。助成券を使用する定期接種の記録も残っている可能性がありますよ。
なお、2011年の東日本大震災での津波被害をきっかけに、記録のデータ化を進めている自治体も増え始めています。
▼母子手帳交付後の流産・死産
考えたくないことではありますが、すべての赤ちゃんが無事に生まれてくるケースばかりではありません。残念ながら、母子手帳をもらったあとに流産してしまったり、死産してしまったりすることも起こりえるのです。
母子手帳の交付後に流産や死産をした場合、母子手帳にはその旨が記されます。役所側には、「死産届」を提出しなければなりません。妊娠4ヶ月以降の流産(中絶も含む)も、手続き上では死産扱いとされるため、届け出を出しましょう。
母子手帳の返却は必要ありません。保管しておいてもよいですし、持っていられないために処分するのも自由です。ひとつの妊娠とどう向き合いたいかによって、ママとパパとで扱いを決めてくださいね。
▼父親と結婚相手が異なる場合
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法律上、日本では婚姻成立200日経過後、または離婚後300日以内に生まれた子どもは、原則として夫(元夫)が戸籍上の父親になります。このルールを「嫡出推定」と呼びます。
結婚相手と子どもの父親が異なり、かつ嫡出推定が及ぶ時期に子どもが生まれる場合。夫(元夫)による「自分の子どもではない」という嫡出否認の手続き、または長期にわたる別居期間であったなど、事実上の婚姻実態のなさといった条件・手続きを踏まえ、最終的に家庭裁判所の判断に任せることになります。判断が下りれば、夫を父としない戸籍の作成が可能となりますよ。
■母子手帳のアプリもある!
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現代の親にとって、身近に使えるものといえばスマホ。そんなスマホアプリで使える母子手帳も存在しています。ここでは、3つのアプリをご紹介します。
▼母子健康手帳アプリ
母子健康手帳アプリは、地方自治体が交付する母子手帳と一緒に使える母子手帳アプリです。
導入している自治体にお住まいの方は、自治体からの情報もアプリを通して確認することができますよ。成長記録がクラウド上に残せるほか、レシピ情報や便利グッズ情報など、子育て中に知りたい情報の配信も受け取れるのがおすすめポイント。iOS8.0以上、Android4.3以上から無料で利用できます。
▼母子健康手帳アプリ 妊娠~出産・赤ちゃんの成長を学べる
2017年にグッドデザイン賞、キッズデザイン賞を受賞したアプリです。iOSのみ、8.0以降に対応しています。妊娠中は出産予定日を登録すると、妊娠週数や出産までの日数が一目でわかるのがおすすめポイントです。
出産後は、赤ちゃんの成長をグラフで記録していけますよ。妊娠中・育児中ともに、その時期に必要な情報が配信されます。地域の自治体や病院からのお知らせも受け取れる便利なアプリです。
▼母子手帳アプリ 母子モ
「母子手帳アプリ 母子モ」は、予防接種・成長記録の管理ができるほか、街の育児情報を受け取ることができるアプリです。iOS 8.0以上、Android 4.1以上に対応。英語をはじめ、多言語に対応しています。
特に便利な機能が、予防接種のスケジュール管理と通知サービスでしょう。1歳までの怒涛のような予防接種ラッシュ時はもちろん、その後の追加接種も、通知を受け取ることで、「ついうっかり」を防止できます。
ファミリー共有機能がついているのもポイント。夫婦間はもちろん、遠くにいるおじいちゃん・おばあちゃんとも赤ちゃんの成長を一緒に見守れますよ。
■母子手帳の人気ブランドをご紹介
素敵なデザインの母子手帳が、人気ブランドからも続々発売されています!
▼ロマンチックで可愛らしさ満点『fafa(フェフェ)』の母子手帳
まるで童話の世界から飛び出してきたようなロマンチックなアイテムがそろう人気ベビー・キッズブランド『fafa』。
そんな『fafa』の母子手帳は、ポップでキュートな花柄のテキスタイルが特徴的です。
女の子の心を鷲掴みするようなガーリー&ポップなデザインに加え、機能性にも優れているため、指名買いするママも多数!
『fafa(フェフェ)』の母子手帳は
コチラ
▼おしゃれなルームウェアでおなじみ!『ジェラートピケ』の母子手帳
ふわモコ感触の心地よい肌触りとおしゃれなデザインで不動の人気を誇るルームウェアブランド『ジェラートピケ』。
ベビーアイテムも多数取り扱っており、淡くやわらかなタッチのイラストをあしらった母子手帳ケースは男女兼用でも使える人気のアイテムです。
見開きタイプなので中身が見やすく、さらに表面はビニールコーティング、裏地は抗菌防臭加工をあしらった、汚れがつきにくくさっと拭きやすい素材は、使い勝手も抜群です。
『ジェラートピケ』の母子手帳は
コチラ
▼鮮やかな花柄プリントが目を引く『hakka kids』の母子手帳
『子供に媚びない服』『着ていて楽しくなる服』をデザインのテーマに、個性的な着こなしができる楽しめる子供服ブランド『hakka kids』。
洋服やバッグでも多数用いられるスミレなどの花柄プリントをあしらった母子手帳は、ジャバラ型でポケットも多数そなえつけらえているため、収納力は抜群です。
『hakka kids』の母子手帳は
コチラ
■母子手帳を上手に使おう
日本が生んだ画期的なシステム・母子健康手帳。現在は、デザインはもちろんのこと、中身の充実さも各自治体によって特色を見せています。最近では、父子手帳も同時交付される自治体が増えました。
無料でもらえる母子手帳。賢く使って、子育てをもっと楽に、もっと便利に行っていきたいですね。
「cuna select(クーナセレクト)」
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