連載記事:ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策
インフルエンザ流行中! かかってしまったらどうする?【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第5回】
お正月休みも終わって、保育園や学校、仕事が始まってすっかり通常モード。都内では連日、真冬の寒さに加えて乾燥した状態が続いたせいか、せっかくの冬休みも親子でインフルエンザにかかり散々だったという話もちらほら…。
予防接種をすませていても、保育園や幼稚園、学校での集団生活ではインフルエンザを完全に防ぐことは難しいもの。
流行のピーク期を迎えようとしているインフルエンザに、もしかかってしまった場合はどう対処すればいいのでしょうか? その症状や対処法、登園・登校基準をくわしく解説していきましょう。
■インフルエンザ2019「患者数が急増! 警報レベルの流行地域が拡大」
厚生労働省では全国約5000カ所の医療機関からの報告をもとに患者数を推計しています。発表によると、2018年12月31日から2019年1月6日までの1週間の患者数は約58.6万人(定点あたり16.30人)と、。
前の週の患者数である約44.6万人(定点あたり11.17人)を大きく上回り、前週に引き続き、注意報レベルの基準値である定点あたり10人を超え、警報レベルを超える地域も拡大しています。
都道府県別に見ると、岐阜県が49.12人ともっとも多く、愛知県が46.42人、北海道が33.57人と続きます。
東京都など4都県では前週の報告数より減少がみられましたが、43道府県で前週の報告数より増加がみられ、まさに猛威をふるっています。
年齢別では、0~4歳が約5.7万人、5~9歳が約5.0万人と全体の2割近くを10歳未満の子どもが占めています。大人と比べて子どもはかかりやすいので、注意したいですね。
■インフルエンザ2019「どんな症状? どうやってうつるの?
国内のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間(2018年第49週~2019年第1週)ではAH1pdm09、AH3亜型、B型の順となっています。
子どものクラスでインフルエンザが流行ってしまうと、なかなか防ぐ手立てはありません。ただし、予防接種を受けていればかかったとしても重症化を防げます。
インフルエンザの症状や潜伏・感染期間、感染経路をおさらいしてみましょう。
【症状】
急激に発病し、爆発的なスピードで感染が広がります。
まさかのタイミングで子どもが熱!? それは長い闘いの序章に過ぎなかった【モチコの親バカ&ツッコミ育児 第58話】より
寒けや頭痛、高熱(39~40℃)により発病します。頭痛とともにせきや鼻水から始まる場合もあります。高熱が数日から1週間近く続きます。全身に倦怠(けんたい)感や筋肉痛がみられたり、おう吐、下痢、腹痛を引き起こす場合もあります。A型やB型などウイルスによっても症状が異なります。
合併症として、脳炎、脳症、中耳炎などがあり、乳幼児は重症化しやすいので注意。けいれんや意識障害を引き起こし、後遺症が残るケースもあります。
また、異常行動があらわれることがあり、子どもがある程度大きくなってからも見守りが必要といえます。
【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は1~4日、平均して2日です。感染期間は発病する1日前から3日目がピーク、7日目ごろまで続きます。低年齢児は感染が長引く傾向にあります。
【感染経路】
せきやくしゃみなどのしぶきによる飛まつで感染します。接触感染もあります。毎年12月ごろから翌年3月ごろにかけて流行。A型は大流行しやすいですが、B型は局地的な流行で終わることが多いとされています。