■変化を恐れず生きていきたい、2038年の日本社会を予想
続いてパネリストが入れ替わり、パネルトークの内容は未来の日本社会やチェンジメーカー(※3)の話題に。
そう遠くない未来、私たちの暮らす社会はどのようになっていくのでしょうか。
「2050年くらいまでに今の49%の仕事が機械に置き換わり、現在小学校に通う子の65%は今はない職業に就き、50%以上の小学一年生が22世紀を迎え、日本人の50%が107歳まで生きるようになる」
という仮説の紹介ののち、パネリスト一人ひとりに「2038年の日本社会」を予測してもらいました。
(左より)
モデレーター:空田 真之 氏(コソダテリノベ 代表)
パネリスト:
道村 弥生 氏(株式会社ハグカム 代表取締役)
永井 貴博 氏(株式会社ユニイク 代表取締役CEO)
堺谷 武志 氏(株式会社ワンダーランド 代表取締役)
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▼パネリストが予測する、2038年の日本社会とは?
オンラインスクール事業を展開する株式会社ハグカム代表の道村弥生さんは「変化があること自体はビビらなくてもいい」としたうえで、子どもたちが生き抜くために個々の力をどう伸ばしていくのかが課題になるのでは? と言います。
道村「日本は個人に特化した能力開発が遅れていますが、今後はその子に特化した能力を伸ばすことが大事だと思っています。その子が何が好きかを注意深く見ていて、それに対して親がどれだけの選択肢を提供してあげられるかではないでしょうか」
アウトプットワークショップ塾「coDosen(こどせん)」を運営する株式会社ユニイク代表の永井貴博さんは、みんなが未体験ゾーンを楽しめる社会になっていると予測。
永井「次に起こることをワクワクしながらみんなで解決していくことが価値観として大事になっているのではないでしょうか。
僕は役割が仕事になる時代がもうすぐ来ると思っています。たとえば、僕は会社をやっていて凹むことがありますが、そんなときにすごく褒めてくれる人がいたら、10万円払ってでもその人を雇いたいです(笑)。その人は太鼓持ちって役割で食べていけると思うんです」
インターナショナルな環境で自然と人にふれあうプリスクール「キッズアイランド」を運営する、株式会社ワンダーランド代表の堺谷武志さんは、未来の国際情勢を危惧。
堺谷「よくグローバル化、AI、少子高齢化と言われていますが、中国が5倍のGDPになったときに、地政学的にリスクがあると思っています。
AIよりも大きなインパクトを持つかもしれない。その状況を踏まえて絵を描ける人が求められるようになるのでは?」
▼チェンジメーカーとなる、未来を担う子どもをどのように育てるか
続いて、「子どもを未来を担うチェンジメーカーへと育てるために、親は子に何をするべきか?」というテーマで議論が交わされました。
道村「子ども自身が考えて決めることが大事だと思います。親や周囲の人は選択肢を増やしてあげることが役目だと思っています」
永井さんは道村さんの発言に同意しつつ、「弱みをさらけ出すこともすごく大事な力になるのでは」と問いかけます。
永井「限界だから助けてくださいと弱みをさらけ出して、助け合える世界は美しいと思うんです。そもそも差別が生まれる原因は“違うことに対する恐れ”であり、もしそれをおもしろがれたら、もっと弱みをさらけ出せる世界になるのではないでしょうか。
そんな僕が実践しているのは、子どもを圧倒的な数の大人に会わせることです。結果、いま子どもがめっちゃ人見知りになっていますが…(笑)」
堺谷「僕はスクールを運営している立場から言うと、“子どもの目指す姿を置かない”をポリシーにしています。
自分らしさを認めていくことが、自己肯定感につながっていく。そのとき何かひとつのモデルを追求する必要はないと思います。逆にそこから外れた人たちを応援したいです」
永井「リーダーシップは他者に対して発揮しているものだと思われがちですが、同じくらいセルフリーダーシップも必要です。チェンジメーカーも同じで、対外側に向いている目線を内側に向けることも大切だと思います。それを手伝うのが僕らの役割ではないでしょうか。堺谷さんがおっしゃっていたことと表裏一体だと思います」
子どもを持つ親として「未来の変化が怖い」と思うことがあるかもしれませんが、未来を正確に予測するのは難しいもの。まずは変化を恐れず柔軟に子育てをしていけたらいいですね。
■WEラブ赤ちゃんプロジェクトは「なくすのが目標」
エキサイト株式会社の村井より「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を紹介
イベントの最後に「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を紹介させてもらいました。
公共の場などで泣き出した赤ちゃんに焦るママに対し「泣いても気にしていませんよ」と意思表示するためのステッカーを配布している本プロジェクト。
登壇したエキサイト株式会社の村井より「このプロジェクトのゴールは、このプロジェクトを続ける必要がないような社会になること」という思いを伝えました。
会場では「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」をはじめ、「きっずちゅーぶ」「子育tech」「esmiley」などのステッカーが配られました
※1 出典:人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状(国立成育医療研究センター)
https://www.ncchd.go.jp/press/2018/maternal-deaths.html
※2 出典:渋谷区 ベビーシッター利用支援事業https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kodomo/hoiku/service/babysitter.htmll
※3 チェンジメーカー:その時代にもっとも求められている価値を提供する、社会変革の担い手
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