連載記事:今日からしつけをやめてみた
「ごめんなさいは?」あやまらない我が子に泣きそうになる…しつけって必要ですか?【今日からしつけをやめてみた 第1回】
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
お行儀よくできない。友だちと仲良く遊べない。そんなわが子の様子を「私のしつけが良くないのかな…」と自分のせいにしてしまうお母さんは、とても多いように感じます。
「子どものしつけは親の責任」という言葉にうなずきながらも、「そうだけど…」とどこか釈然としない気持ちになったことはありませんか?
本当にしつけって必要? しつけは本当に子どものためになるの?
そんな疑問を解決すべく、今回は『
今日からしつけをやめてみた』(主婦の友社)を監修された保育のプロ・柴田愛子先生にお話をうかがってきました。
お話をうかがったのは…
「りんごの木 子どもクラブ」代表
柴田愛子先生
「子どもの心により添う保育」をモットーにした「りんごの木 子どもクラブ」代表。絵本作家。 保育者。育児書の執筆、雑誌への寄稿だけでなく全国で保育者向けセミナーや母親向け講演会をおこない支持を得る。NHK『すくすく子育て』出演。園で行っている「子どもたちのミーティング」はテレビ・映画で取り上げられ「子どもの力を最大限に引き出している」と話題に。
■イヤイヤ期の2〜3歳「本能で生きる時期」しつけは押し付け?
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
今回、お話をうかがってきたのは「子どもの心により添う保育」をモットーにした幼稚園「りんごの木 子どもクラブ」代表の柴田愛子先生です。
――先生、今日はよろしくお願いいたします! 先生が監修された『今日からしつけをやめてみた』のタイトルに「え? いいの?」と驚くお母さんも多いかと思いますが、ここでいう「しつけをやめる」とはどういう意味なのでしょうか?
柴田愛子先生(以下、柴田先生):なかなか過激なタイトルよね(笑)。
これは「しつけはいらない」という不要論ではなくて、あなたを脅かしている、誰がいっているか分からない「しつけ論」をちょっとやめてみない? という意味なの。
――誰がいってるか、分からない「しつけ」…?
柴田先生:しつけをしなければいけない、と悩んでいるのは2~3歳のお子さんを持つお母さんに多いわね。でも2~3歳ってイヤイヤがはじまる、いちばんどうにもならない時期なんですよ。そんな子どもをどうにかしようとするほど、至難の業はないと思うの。
――でも、早いうちからいろいろ示しておかないと将来が心配だし、しつけることがわが子のためになると思って口うるさくいってしまうんです…。
柴田先生:そうよね。最近までおっぱいやミルクを飲んで寝ていたのに、立ち上がるようになって、大人のような姿かたちになりはじめる。でもね、大人に近づいたように見えるだけで、まだまだ未発達の状態なの。
2~3歳ごろまでは本能的に生きている時期で、それが自然。その本能的に生きている時期に、世間一般でいわれるような「しつけ」をするということは、人間の文化を無理やり押し付けていることになるの。
――未発達な時期でのしつけは、押し付け…?
柴田先生:そう。押し付けられる子どもは気の毒だなぁ…と私は思う。子どもにとっても、「しつけないとしょうがない子になる」と頑張る大人にとっても、つらいものだと思うんです。