連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典

【医師監修】タバコを飲みこんだ! 緊急性の高い誤飲かどうか、判断・注意点・予防法<パパ小児科医の子ども健康事典 第19話>

パパ小児科医の子ども健康事典

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Twitterでも人気! 小児科医であり2児のパパでもある、パパ小児科医(ぱぱしょー)さんが、子どもの健康を守るための「ちょっとしたこと」について教える連載。子どもの病気に関する知識や、大きな事故の…

【医師監修】タバコを飲みこんだ! 緊急性の高い誤飲かどうか、判断・注意点・予防法<パパ小児科医の子ども健康事典 第19話>

イラスト:ぺぷり


10円玉などの硬貨や、小さいおもちゃ…子どもは何でも口に入れて、うっかり飲み込んでしまいます。小児救急外来にも、誤飲した子どもを心配そうに連れてくるパパやママがたくさんいらっしゃいます。

飲みこんだものによって、緊急な処置を要するものか、とりあえず家で様子を見守るのでも問題ないものかなど、対応はさまざま。では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?

■「誤飲したかも!?」まずは焦らず周囲をチェック

子どもが異物を飲みこんだと心配して受診したけれど、実は「飲みこんでいなかった」というケースが少なくありません。

さっきまであった10円玉がなくなっていると、ママやパパは「飲み込んだかも!」と心配になりますよね。でも、レントゲンで撮影しても写らないことは多く、あとから「実はほかの場所でみつかりました…」ということがよくあります。

「飲みこんだかも!?」と思っても、まずはひと呼吸置いて、誤飲したかもしれないものが落ちていないか周囲を探してみましょう。


■注意したい誤飲、3つのケース

子どもが誤って飲み込んでしまうもの(=誤飲)は、コインやおもちゃの小さな部品、ビニール袋などさまざまですが、これらはたいてい消化されず、そのまま数日の間に便として出てきます。

このように「飲みこんでいない」「飲みこんだけど大事にはいたらない」ケースは多いのですが、注意すべきことがいくつかあります。

1.誤飲ではなく誤えんした場合
誤えんとはつまり、飲みこんだものが消化管ではなくて気道に入ってしまった場合です。この時はむせてせきが出たり、ものによっては息がつまって呼吸困難を起こしたりします。

誤えんについての記事はこちらを参照↓

飲みこんだあと、せきが止まらなかったり、ゼロゼロする場合はすぐ受診して、呼吸音やレントゲンなどを確認してもらってください。

2.飲み込んだものがとがっている場合
コインのように丸くてなめらかなものは、消化管を傷つけることなく排便されますが、形状がとがったものは途中で消化管に刺さったり傷つけたりといった可能性もあります。この場合はレントゲンで場所を確認したり、状況によっては除去の処置が必要になることがあります。

ちなみに丸い磁石はなめらかで消化管を傷つける心配はありませんが、複数個飲みこんだ場合は別です。磁石同士がくっついて消化管をはさみこみ組織を傷つける場合があるので、1個だけなのか複数個なのかの区別が大切です。


3.体内で何らかの反応を起こすものを飲みこんだ場合
コインなどそのまま出てくるようなものであればそこまで緊急性は高くありません。しかし、例えばタバコの吸い殻、ボタン電池、洗剤ボールなど体内で何らかの反応を起こすようなものは緊急性が高く早く受診すべきものです。


くわしくは、日本小児科学会のホームページ「子どもの救急」の「誤飲」ページ(http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=goin)にも記載されています。

飲みこんだものによって対応がかわるので、自己判断で対応することはせず必ず病院を受診してください。


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