連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典
【医師監修】じんましんの原因は?「症状、特徴、治療、予防」<パパ小児科医の子ども健康事典 第20話>
イラスト:ぺぷり
お風呂に入って出てきたら急に全身が赤くなったり、蚊に刺されたようなぶつぶつがたくさん出てきてびっくりして、救急受診する人は多いです。
受診する頃には、ちょっと赤みがひいていたり、あるいはもっとひどくなって全身がかゆくなったりと、時間とともにどんどん状態が変化するものの多くは「じんましん」です。
子どもにじんましんが出たら、どうすればよいでしょうか?
■じんましん「症状、特徴、原因」
まずじんましんは、膨疹が出現して、それが24時間以内消失することが特徴です。
膨疹とは、その名の通り膨らんだ発疹で、蚊にさされたようにぷっくりしたり、いくつかがつながって線状になるいわゆるミミズ腫れの状態になったり、まぶたがぷっくりと腫れたりします。ほかの発疹とは異なり、比較的短時間、数十分や数時間のうちにみるみる発疹の状態が変化することが特徴です。
あせもなどの湿疹や、突発性発疹などの感染による発疹であれば、一度出現すれば数時間のうちに急激に状態がかわることはありません。しかし、じんましんであれば、30分前に顔に出ていたものが、次に見た時には消えていたり、また数分後には足に発疹が出ていたり…といったことが起こります。
じんましんの代表的な原因としては、食物アレルギーが挙げられ、食べてから数分~数時間のうちに発疹が出現します。
皮膚の症状だけのこともありますが、時にはせきや鼻水、腹痛や下痢といった症状を伴ってくる場合があります。
はじめての食材を試した時や、普段大丈夫でもいつもより多量に摂取した時に、このような症状が出たら食物アレルギーが疑われますので受診が必要です。
また、頻度は多くありませんが、お薬によって症状が出る場合もありますので、じんましんが出た時にはどんなお薬を使っているかも医師に伝えてください。
このように、じんましんの原因が明らかな場合もありますが、ほとんどの場合は「原因不明」です。