■昨日の出来事が、学校に知られている…?
朝一番で担任の先生がみんなに呼び掛けてきたのです。
「昨日近隣の住民の方から学校に連絡がありました。昨日の午後、○○町周辺で怪しい男の人に1・2年生ぐらいの女の子が絡まれていたそうです。心当たりのある人いませんか」
すぐに私の事だと思いました。
とてもじゃないけど名乗り出る勇気はありませんでした。
親に絶対に知られたくないんだから、クラスメイトの前で知られるなんてとんでもありません。
誰も手があがらなかったので、先生は「危ない目に遭った時の対処法」を伝えて朝の会は終わりました。
・誘われてもついていかない
・大声で助けを呼ぶ
・逃げる
あああ…やっぱり私のせいだ。
私がちゃんと習った事をできなかったから、いけなかったんだ。
自分の落ち度を責める気持ちと同時に、
異変に気付いていた大人がそばにいたということに驚きました。
真っ先に思ったのは「よかった! バレてなくて…」でした。
が、一方で、
どうして大人の人は助けてくれなかったんだろう、おかしいと思っていたのにどうして追い払ってくれなかったんだろう…という気持ちも芽生えました。
結局この事は大きくなるまで誰にも言わず自分の胸にしまっておきました。
■わが子が被害に遭う前に、私が子どもに伝えておきたいこと
そして私も子の親になり、胸が痛む性犯罪のニュースを目にするたびに、表に出ないだけで私と同じような思いをしている女の子は今もきっとどこかにいるはずだと思うんです。
昔は低学年でも自転車に乗ってあちこち遊びに行っても何らおかしくない時代だったので、今とは危機管理能力がそもそも違うかもしれませんが、
被害に遭った当時の私が教えてほしかったことは
「危ない人に出会った時の対処法」ではなく、
「危ない目に遭った時に、報告してね」っていうこと。
「絶対に怒らない、あなたが悪いわけじゃない、責めたりしないから親や先生に報告してほしい」と今子どもには伝えたいです。
被害に遭った女の子たちの心境が私にはどことなくわかります。
自分がいけなかったんだと自分のせいにしてしまったり、なぜか「怒られてしまうんじゃないか」という気持ちになったり、また「大事になったらイヤだな」っていう気持ちもあります。
ただ、誰にも報告しなかったことを今とても後悔してるんです。
何故なら「私が誰かに報告していたら、同じ被害に遭う女の子を1人でも減らせたかもしれないから」。
その後、またあのお兄さんに道で会ったんですよ。
そしてまた同じように声をかけられました。
前回の事があるので顔を見ただけで氷りつきました。
そして男が言葉をかけ終わらないうちに大急ぎで逃げましたが、今思うと、かなり高い頻度で小学生が帰る時間帯にうろついて物色していたと思うんです。
被害者は絶対私1人じゃないはずです。
私が誰かに報告していたら、被害に遭う女の子が1人でも2人でも減っていたかもしれない…。
これ以上、犯人の思い通りにさせないという意味でも、私は「おかしいな…と思う事が起きたらママに報告してね」ということ、「悪い大人に絡まれても絶対にあなたは悪くない」ということを子ども達に伝えたいです。
そしてあの時「どうして誰も助けてくれないんだろう」と思っていた私と同じ思いをさせないためにも、道端で泣いている子どもを見かけた時には声をかけてあげたいし(普通に素通りする大人いっぱいいます)
少しでも「?」と異変を感じたら声をかけたいと思っています。
以上私の経験から思う「子どもを性被害から守る術」でした。