こんなに楽でいいの?“離乳食を作らない離乳食”、BLW(ベビーレッドウィーニング)
赤ちゃんが生まれ、生後5~6カ月頃からはじまる「離乳食」。日本では食材の大きさや軟らかさ、回数や量など細かい指示があり、それが見えないプレッシャーになっていることも。
しかし世の中には“離乳食を作らない離乳食”があるらしいのです。それって一体どんなもの?
Baby Led Weaning
BLW=「Baby Led(赤ちゃんに任せる、自ら行う)Weaning(離乳)」。ざっくり訳すと、赤ちゃんが食べたいものを自分で食べる離乳食のこと。スープ状やピューレ状の離乳食ではなく、歯茎で噛みつぶせる軟らかさの食材を与え、赤ちゃん自らが口に運ぶ方法。お母さんがスプーンで口に運んであげたりしないのです。
日本人の私たちには驚きの“BLW”、イギリスから始まり、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカでもポピュラーになりつつあるのだとか。
いつ頃から?何を食べさせるの?
個人差はありますがだいたい生後6カ月頃、「お座りがきちんとできるようになり、親指と人差し指で物をにぎれるようになってから始めました」と、オーストラリア出身のエミリーさん。
ニュージーランド出身のジェシカさんは、長男と長女は生後半年頃から、次女は1歳すぎから始めたそうです。
日本でBLWの本を購入できなかったジェシカさん、インターネットでBLWに適した食べ物を検索。グリーンピース、ラ・フランス、バナナ、アボカド、桃、ヨーグルト、軟らかいライスなど、甘みがあって指でつかみやすいものを選びました。
(ジェシカさんの次女(2歳)のある日のBLWディナー)
エミリーさんも家族の食事から、赤ちゃんに与えられそうなものを取り分けています。先日はスパゲティをシェア。家族で一緒に食卓を囲み、兄弟と同じ食べ物を与えられた赤ちゃんは大満足。夢中になってスパゲティを触り、口に運んでいたようです。
お皿は使わないの?
写真を見て「あれ?」と思った方もいるのでは。そう、BLWを試みる人の多くが、お皿を使っていないのです。赤ちゃんが食べ物だけに集中できるよう、ハイチェアのテーブルに直接食べ物を置きます。好奇心いっぱいの赤ちゃんは、食べ物を手でつかんでぐちゃぐちゃにしたり、口に運んだり、口から出してみたり。
一見遊んでいるように見えるこの行為、食材の味・香り・手触り、さらには食べる喜びを知るきっかけにつながるのだとか。
BLWの食後はハイチェアの片付け、赤ちゃんの顔や髪の毛をきれいにするのに少し時間がかかるようですが、「赤ちゃんが“食べる”という楽しさに目覚め、その様子を見守る私や家族も、以前に増して食事が楽しくなりました」