オーガニックは高い!だからナチュラルで? 子どもに”いい”ものを選ぶには
を意味するとは限らないということです。
米国の認証マークがついたオーガニック食品。日本では米国との相互認証がされているので、米国で認証されたものをオーガニック製品として輸入・販売が可能
オーガニックの目的
ちなみに、オーガニックは「安全」と目されることが多いですが、モニークさんによると「それは単に自然なだけ。100年前にはまさに現代で“オーガニック”と呼ばれている農法(化学肥料などを使わない)が当たりまえでした」とのこと。遺伝子組み換えや化学肥料、農薬といった化学物質を用いた人工的な農法は生産を効率的、かつ大量に行うために近年開発されたもので、自然ではありません。オーガニック農法ではそうした現代の人工製造物に頼らずに作物を生産するため、「自然である」というわけです。モニークさんによると、米国でなされている研究ではオーガニック農法によって温室効果ガスの排出を減少させられることが報告されていて、農法の違いによる環境への影響も大きいことがわかっているそう。人体へも深刻な影響のある化学薬品を使わないことで、結果的にそうでない食品よりも安全性が高いということになるのであって「安全な食品」を生産することが目的で行われているわけではありません。
雑草が生え放題に見えるオーガニック農法。しかしこれこそがかつてあったような農法で、より自然に近く環境への負担が少ない
オーガニック野菜、そのお味は
なにしろお高いオーガニック製品。目に見えない環境への配慮など、ともすれば“意識高い系”のお話で終わりかねませんが、実際に生活に取り入れたときに実感する“良さ”ってあるのでしょうか。最もわかりやすいのは、野菜。山梨県にあるオーガニック農園「カルタファーム」で、そこになっているキュウリを味見させてもらいました。
持ってみるとチクチクと痛いくらい、しっかりトゲで武装したキュウリ。色はまだらで、形もちょっと不格好。でも、カルタファーム代表の根津和彦さんによると、野菜は殺虫剤も化学肥料もない中で切磋琢磨しながら育ち、実をなすのだそう。
皮は固そうだしトゲも普通のキュウリと比べるとなんだかちょっと大きめですが、虫から身を守るためにそうなったのだと考えると、なるほど、と納得。見せていただいたのは原生種で、本当になにも手を加えていないものなのだそうで、市販されているキュウリとは異なります。とはいえ、洗って食べてみるとその味はまさにキュウリ。