進級や進学の季節、4月ですね。
この季節、ついついやってしまいがちなのが、子どもと他の子、あるいは、きょうだい同士での「比較」。
「お兄ちゃんは、年中さんになったときはもっと身長が高かったのに、あなたは低いわね!」
といった身体的なことから、「○○ちゃんは、もう平仮名が書けるのに、うちの子は書けない」
といった学力的なことまで、ママにとっては気になることがいっぱい。
でも本当はママだって、そうやって比べることがあまり良くないとわかっている一面もありますよね。
今回は、心理カウンセラーである筆者が、子どもと他の子を比べてしまうときの対処法についてご紹介します。
比較された子どもの心理は?
まずは、いろいろなシーンでママに比較されてしまった子どもの心理を考えてみましょう。
子どもの心は、大人が思っているより単純です。
「○○ちゃんは平仮名が書けるのよ」と比較されたからといって、大人の思惑どおり、「ようし、ボクも書けるようにがんばろう!」と奮起してはくれません。
むしろ、「ボクは、平仮名書けないから、ママに愛されていないんだ…」と、深く傷ついてしまいがちです。
そればかりではなく、比較されることが続くと、子どもは少しずつ、「ボクはできない子なんだ」と、自分に対する評価を低くしてしまいます。これを「自己肯定感」と呼びますが、自己肯定感の低くなった子どもは何事にも自信を持てず、「できないかもしれない」という気持ちからチャレンジすることを怖がるようになり、やがて自分の伸びしろを自分で制限してしまうようになるというデメリットがあります。
また、ママがこうした比較をきょうだい間でひんぱんに行った場合は、「カインコンプレックス」という心理的なブロックに大人になっても悩まされることがあります。
カインコンプレックスは、旧約聖書に登場する兄弟「カインとアベル」から名付けられています。きょうだい間の嫉妬心や競争心から、同年代との人間関係を大人になっても上手に築くことのできない精神現象を、カインコンプレックスと呼んでいるのです。
比べそうになったとき最初にすることは?
子どもを比べそうになったときは、今お話しした、比較された子どもの心理とデメリットをまず思い出してください。子どもを比べるとき、たいていのママは「比べることで、うちの子がやる気になってくれたら」とプラスの効果を期待して、比較しています。