戦争はどうして始まるの?子どもに聞かれたら読みたい絵本4冊
出版されたのは1983年と書いてあります。もしかすると娘たちは“ピカドン”が何のことか分からないかもしれないと思い、手に取りました。
実話を元に描かれた本で、竹やぶに残った防空壕からお話が始まります。戦争を経験した竹やぶが擬人化され、原爆投下後に防空壕に逃げた人々、死んでいく人々、生き残った人々の様子を、お母さんのように包み込みながら見ています。
『たけやぶはかなしくてかなしくてこえをふりしぼりなきつづけました。そのなみだがまっくろいあめになりました』
竹やぶの涙が黒い雨で表現され、見ていると大きくて深い悲しみがあふれてきます。
最近は戦争のリアルな表現が避けられがちですが、この本はリアルさも残しながら表現はやさしい。しっかりと子どもに伝わる内容になっています。
出版社によると売り切れで再販の予定はないようですが、図書館で検索すれば見つかるかもしれません。
平和ってどんなことだろう?イメージしてみよう
「へいわってどんなこと?」浜田桂子(童心社)
「おなかが空いたらご飯が食べられ、みんなと一緒に勉強ができ、みんなの前で大好きな歌を歌える、思いきり遊べて、ぐっすり眠れる」
今の私たちには当たり前すぎて、そうでないことをイメージすることすらできないかもしれません。
実際に戦争や紛争の渦中にいる人たちは、この普通の生活がままならない。
絵本を見てから、娘たちに「キャンプで水や電気を使わないこととは違うんだよ。家族が殺され、毎日の生活が不安と恐怖でいっぱいなんだよ」と話し、親子でイメージしてみることにしました。
ちょうど少し前にテレビ番組で、レバノンの難民の生活を見たり、祖父から疎開の話しを聞いたことがあったので、「同じ子どもなのに、かわいそう…」と小2の娘。イメージしてみることも大切だなと思いました。
最後に書かれた「ぼくがうまれてよかったっていうこと」「きみがうまれてよかったっていうこと」「そしてね、きみとぼくは友だちになれるっていうこと」というメッセージが胸に響きます。
祖父から学童疎開について話を聞いている子どもたち
私たちにできること、それは戦争を知り、平和とはどういうことかを知ること。同じ地球にある他の国や他民族の人たちを知り、友達になること。それが戦争をしない道に繋がっていくのです。
戦争経験者世代が少なくなった今、今度は私たち親世代が伝える番です。