「それは触らないで!」注意しても子どもがガマンできないのはなぜ?
「触っちゃダメ」と注意しても、子どもにはつい触りたくなるときがある
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発達障害のお子さんにしばしば見られるトラブルとして、「触ってはいけないものに触ってしまう」ことがあります。
例えば遊びの場面では、ボードゲームをしているときに、他の子のコマを勝手に動かしたり、誰かが一生懸命積み上げた積み木を、崩してしまったり…。
学習場面では、目新しい教材が配られたときに、先生の指示の前に触り始めたり、調理実習や図工では刃物を勝手に触ったりし、叱られてしまうこともしばしばです。
こうした行動は、注意した時にはなくなっても、別の場面で繰り返されることが多く、対応に困っている親御さんや先生が少なくありません。
大人と子どもでは関心の持ち方が違う
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実は、「触っていはいけないものに触る」ことの背景には、大人とは異なる子どもならではの関心の持ち方が関わっています。
まだ言葉を持たない1歳半くらいまでの子どもたちは、色や音・手触りといった、感覚的な刺激に興味を持っていますが、それが大人に成長する過程で、感覚的なものから、概念的なものに少しずつ興味・関心が移っていきます。
幼児から小学校低学年のお子さんの場合、こうした関心の移り変わりの過渡期にあり、ゲームのルールのような概念的なものも理解できる一方で、色や音、手触りへの興味が、大人よりずっと強く残っています。
つい触りたくなってしまうけれど、阻止すると…
Upload By 松本太一
たとえば、キラキラと輝く宝石が目を引くこちらのボードゲーム。大人がこれをみたら、まず「この宝石はゲームの中でどう使われるのだろう?」という関心を持つと思います。
ところが子どもの場合は、「この宝石はどんな触り心地なのだろう?」「手にたくさん持って上から落としてみたら、どんな音がするのだろう?」という感覚的な興味が優先します。こうした理由から子どもたちは、手を出してその宝石を触ろうとするのです。
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大人からすると、ゲームの説明もしないうちから宝石を触ろうとするので、つい「宝石を置いて、ちゃんと説明を聞きなさい。」