決めるのは『食事・起床・就寝』時間だけ!自閉症親子の冬休みは、ゆるめ時間割で切り抜けろ
一度崩れた生活リズムは立て直すのが大変
息子が長期の休みに入ると、親子共々生活リズムが崩れやすくなります。息子本人はもちろんのこと、普段日中はいない彼がいることで私自身も生活の形が変わるのを感じます。
Upload By 丸山さとこ
生活リズムが崩れることによって、コウは機嫌が悪くなったりパニックになったりしやすくなります。一度そういうコンディションになった彼相手に生活リズムを整えようとするのは大変なので、極力「崩さない」をモットーに休みを乗り切りたいところです。
「起床・食事・就寝」 時間を決めるのは3つだけ!
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とはいえ、コウだけではなく私もまた発達に凸凹のある成人当事者です。
食事の支度が増えたり、作業中に子どもから声をかけられることが多くなったりする長期休みの生活。私自身も自分の生活リズムを保つだけで精一杯になりやすく、自分のことに加えて「保護者として子どもの生活リズムを管理する」というのは負担が大きく、難しいところがあります。
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そのため、長期のお休みがある時は“生活が大きく崩れなければよし!”ということで、『食事・起床・就寝』の時間だけは決めて過ごすようになりました。
気持ちや行動の切り替えが苦手な私とコウにとってはその3つを守るだけでも大変だったりするのですが、その3つが崩れると立て直しが本当に大変なので、「何とかそこだけは!」という気持ちで守るようにしています。
また、その3つの時間に関しても、「夕飯は6時から7時の間」という感じで幅を持たせて決めるようにしています。あまりきっちり決めていると、予定変更が続いた時に形ばかりのルールになってしまい、ルールが存在する意味が無くなってしまうからです。
お手伝いで“生活のリズム”を意識する。
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コウには、普段から役割として頼んでいるお手伝いがあります。リビングのカーテンを朝開けて夕方閉めることと、お風呂掃除です。
彼は時間を意識することや周囲の変化に気付くことが苦手です。すっかり日が沈んで暗くなった部屋でデスクライトだけをつけて黙々と折り紙をしていたりします。
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そんなコウですが、”朝起きたらカーテンを開ける、暗くなったらカーテンを閉める”という作業を役割として任せられることで、少しずつ”窓の外の明るさ”や、それが季節や天候によって変わることを意識できるようになってきました。
好きなことに夢中になれるのは彼のよいところですが、ふっと集中の途切れた時やタイマーの鳴った時など、周りが目に入る瞬間だけでも「生活のリズム」を意識できたらいいかなと思っています。
息子の時間割は息子のもの
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学校生活での長期休暇について、あらかじめコウには「暑さ・寒さ・進級準備のために学校を休んで家庭学習をする期間なので、ただの休みの日ではないんだよ。」と伝えています。
「だから、学校がある日のように時間割は大事だよ。」という形で、前述の”生活リズムを崩さないための基本ルール”以外の計画表はコウ自身に作ってもらっています。
立てた計画が雑でも、1回はその通りに行動して、うまくいかなければその時点で話し合います。自分が思っているよりも行動に時間がかかったり切り替えられなかったりするのだと自覚することは、予定を立てる上で大切なことだからです。
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自分の気分・体調・行動にかかる時間などが分かってくると、体調や時間の管理がしやすくなり気持ちのメンテナンスもできるようになります。
長期のお休みは普段の生活リズムが崩れやすい大変な期間ではありますが、同時に“子どもの素の生活リズム”を知った上で安心して失敗することのできる絶好のチャンスでもあります。
子ども自身が「できると思って作った時間割」と「実際の自分の姿やスケジュール」とのズレに気づいて修正していくことは自己管理力を身に付ける上で1つの方法になりますし、親の方にとっても「手を出さずに見守ること」のよい練習になっているのを感じます。
何かと負担が増えがちな長期のお休み!親子共々生活リズムを意識しつつ、手を抜けるところはズバズバ抜きながら今度のお休みも切り抜けようと思います。