2021年4月26日 06:15
クモを怖がる息子に振り回され…そんな日々を解決したのは息子おなじみの『あの』存在
「図鑑の知識」は身を助ける…こともある?
Upload By 丸山さとこ
前回のコラムでも書いたように図鑑好きなコウは、一方的な知識の披露をしてしまいがちです。それがコミュニケーションのトラブルになることもあれば、会話のきっかけになることもあります。
そんな彼の”図鑑知識”は、日常生活を送る中でしばしば役立つこともあります。
「これはこうするといいんだよ」と何かを理解するために役立つこともあれば、「知っているもの」を増やすことで気持ちを落ち着けるために役立つこともあります。
「よく分からない怖いもの」から「知っているもの」へ
保育園年中のころ、クモのことが苦手だったコウは、植え込みに張られた小さな巣であっても大きく離れて迂回しようとするので、道路に飛び出さないよう注意が必要でした。
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保育園までの道は公園や街路樹が多く、電灯や足元灯も多いことからあちこちにクモの巣がありました。
特に苦手ではない私からすれば「言われてみればいるなー」くらいの存在感だった彼らを、コウは素早く見つけては「クモいる」「通れない」とぐずり出します。
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街路樹などの高い所に張られたクモの巣だけでなく、植え込みや垣根などの低く小さなすき間に張られたクモの巣ですら的確に発見していくので、その度に迂回したりなだめたりでなかなか目的地までたどり着けません。
『視覚優位の特性が活かされているから!?』と思うほどの発見率の高さに親子共々振り回されていました。
そうして、たった数センチの存在に右往左往しながら登園と帰宅を繰り返していたある日のこと。
いつものようにクモの巣を発見したコウは、逃げたり固まったりすることなく、じーっとクモの巣を見つめていました。しばらく待っていると、コウは静かにクモの糸の性質について解説を始めました。
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「クモの巣はたて糸とよこ糸で性質が違う。よこ糸はくっつくけどたて糸はくっつかない。クモはたて糸の上だけを歩くので、自分の巣にくっつくことなく動くことができる」
そう言い終えて再び歩き出したコウに「そうなんだねー。それはどこで知ったの?」と聞くと、彼は淡々と「図鑑に書いてあった」と言いました。
毎度おなじみのそのセリフを、そのときほどありがたいと感じたことはありませんでした!(笑)