2021年7月15日 06:15
母子分離で癇癪・パニックの自閉症息子。自由に動けない苦しさの中、スモールステップで離れる訓練を始めて
普通の後追いとはレベルが違う?
Pが私の存在に気がつくようになってからは、酷い後追いがありました。
幼児によくある後追いの様子とは違い、「母子分離不安」といえるくらいの癇癪とパニックがあったのですが、一度私と離れてしまったら最後、私がPの元へ戻ってくるまで何時間であろうと泣き続けていました。
母親としての存在の私を後追いしているというよりは、普段クレーンで要求するとそれを叶えてくれる人(手)がいなくなってしまうような不安…きっと当時のPにとっては、自分の身体の一部が急に消えてなくなってしまうかのような感覚に近かったのかもしれません。
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トイレも家事も…自由に動けない苦しさ
そんなPとの生活は私にとっては壮絶なものでした。部屋から出て行くだけでも泣くので、トイレへもまともに行けないし、家事をしているときも全く思うように動けませんでした。酷いときは私がその場を立とうとするだけで泣いてしまったりもして、私はまるで見えない鎖のようなもので四六時中Pと繋がれているような、自由になれない苦しさがありました。
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経験を少しずつ積み重ねることで離れることにも慣れる
そんなPと私が離れるようになるためには、スモールステップが必要でした。
療育は週2回短時間の母子通園から始めたのですが、まずは母子で通って先生とお友達と場所に慣れてから、私と少しずつ離れる訓練をしたのです。最初は10分離れることから始め、離れる前には必ず「今からお母さんは部屋から出て行きます。でもこのタイマーが鳴ったら戻って来ます」とPに予告しました。
もちろん、まだ言葉や状況を理解できていなかったPは、私が部屋を出た瞬間から10分間ずっと泣き続けました。でもタイマーが鳴ると、私が「ただいま」と戻って来る。そんな訓練を何度も何度もくり返すと、回を重ねる度に少しずつ私と離れることにも慣れていき、離れる時間も10分から20分…30分…と伸ばせるようになってきました。そして離れるときには泣いていたとしても、そこから泣き止む時間も徐々に短くなってきました。
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安心できる場所と安心できる人との出会いが大切
しかしこの方法は慣れた人と場所だからこそ有効で、また新たな場所や人となると同じようなスモールステップが必要でした。でもPも経験を積み重ねて身につけているので、以前ほど離れるのは大変ではなくなりました。