子育て情報『自閉症の娘と「気持ちが通じ合う日は来る?」2歳で障害告知、孤独と焦燥感の中で響いた「納得するまでやったらいい」に支えられて【新連載】』

2022年10月27日 06:15

自閉症の娘と「気持ちが通じ合う日は来る?」2歳で障害告知、孤独と焦燥感の中で響いた「納得するまでやったらいい」に支えられて【新連載】

発達に良いとされることを片っ端から試してみたり、まゆみの興味のありそうなものを見つけては飛びついたり、とにかく「まゆみを救ってくれるもの」が何かあるんじゃないかと期待しては失望することの繰り返しで、私はだんだんと疲弊していきました。

神経発達症(発達障害)のメカニズムは未だ完全に解明されておらず、ネットで得られる情報も玉石混交です。何かないかと検索しては不確かな情報に踊らされまくった私は、確かな情報を得るために知識をつけようと、大学の通信学部で臨床発達心理学を学び、発達支援などに関する民間資格を取得しました。わが子のためになることなら何でもやってやろうと、鼻息も荒く意気込んでいたのです。

けれどそのうち、もっと大事なことに気づきました。

知識をつけることはもちろん大事なのですが、一番大事なのは、目の前のわが子をよく観察してたっぷりの愛情を注ぐことだと思うようになりました。当たり前のことなのですが、その当たり前のことに気づけなくなるくらい、「何かしなくちゃ」とかつての私は焦っていたのです。

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障害児育児は孤独や焦燥感との戦いでもあると思います。
そんな中で、自分も子どもも笑顔でいられる道があるなら、きっとそれが正解なんだと感じています。
結果として、真剣に学んだことはまゆみにとっても私自身にとっても正解でした。もし目の前に当時の私と同じように悩んでいる人がいたら、「自分が納得するまでとことん何でもやってみたらいいよ!」と背中を押すでしょう。それは、子どものためというのもありますが、大きくは親としての自分の気持ちを救ってあげることにつながるから、という理由です。

最初に通っていた母子通所の療育で、「こんなにやってるけど、まゆみには通じなくて空回りばかりです」とこぼした私に園長先生が言った言葉は、今も私の心の指針になっています。「自分が納得するまでやってみたらいいよ。やりきったら、もし子どもの発達に打ちのめされることがあっても『こんなにやったのに』じゃなくて『ここまでやったから』と思えるようになる」。


同じ境遇で悩んでいる方の力になれたら

おこがましいかもしれませんが、同じような境遇で悩んでいる親御さんに「あなただけじゃないよ」と伝えたい気持ちで漫画を描き始めました。


百人いたら百通りの自閉スペクトラム症があるといわれるくらい、特性の出方に幅があるのが自閉症育児。

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