子育て情報『理学療法士(PT)の支援とは?発達障害がある子どもの姿勢や運動の悩みに、期待できる効果や保護者が意識したいこと【日本理学療法士協会 清宮清美さん取材】』

理学療法士(PT)の支援とは?発達障害がある子どもの姿勢や運動の悩みに、期待できる効果や保護者が意識したいこと【日本理学療法士協会 清宮清美さん取材】

授業中、机につっぷしてしまったり、じっと椅子にすわっていることができなかったりするのも、注意が散漫だからという理由だけではなく、体幹の筋力の弱さや感覚過敏や感覚鈍麻、感覚と運動の関係性がうまく働きにくい、といった理由が隠れていることも多いのです。理学療法士は、姿勢や運動の専門家。身体を使った遊びなどを通して、そのお子さんが抱えている困難を改善し、よりよく発達していくお手伝いをしていきます。

――運動発達や筋肉面からのアプローチで、発達障害の特性による困りごとが改善する可能性もあるんですね。

清宮:体幹の筋力をつけることで、落ち着いて座っていられるようになったという実例もたくさんあります。ただ、具体的にどんなプログラムを行うかは、お子さんによっても異なります。縄跳びやボール遊び、ブランコ、サーキット遊びなどのダイナミックに身体を使う遊びや、体幹を鍛えるためのストレッチやトレーニング、マッサージなどが行われることもありますよ。

――発達障害のあるお子さんは、「ちゃんと座りなさい」「落ち着いて話を聞きなさい」と注意を受ける機会が多くなりがちです。
遊びや簡単なトレーニングで困りごとが改善されていけば、本人の達成感にもつながりますね。

清宮:座るのが苦痛なお子さんに、「座る練習をしましょう」といってもつらいですよね。赤ちゃんの発達を思い出してみてください。赤ちゃんは、生まれてからの1年で、まず首がすわり、腰がすわって、寝返り、はいはいができるようになって、めざましい成長をとげますね。そして1歳から1歳半の間にはひとりで立って歩けるようになり、おおむね3歳までには走るようになります。でも、病気やケガ、障害などによって、運動の発達がうまくいかなかったり、できるようになっていたことができなくなってしまったりすることもあります。そうしたときには、もう一度発達の流れに沿って、順番にトレーニングしていくことが大事。今できることから始め、焦らずじっくり段階を踏んでいくことが重要です。


――理学療法を受ける際に、保護者が意識するとよいことはありますか?

清宮:お母さん、お父さんの目で見て気がついたことというのは、理学療法士にとってもお子さんのニーズを把握するための大切な情報となります。まずは、保護者の方がどんなことで悩んでいて、どんなふうに解決したいと思っているかを、ストレートに伝えてもらえたらと思います。

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