理学療法士(PT)の支援とは?発達障害がある子どもの姿勢や運動の悩みに、期待できる効果や保護者が意識したいこと【日本理学療法士協会 清宮清美さん取材】
おうちでの遊びの様子、お風呂や食事など日常生活の様子など、1日のなかでの行動やエピソードも、お子さんに合わせたプログラムをつくるために役立ちます。「これは理学療法とは関係ないかな?」などと心配せず、なんでも気軽にお話してほしいな、と思います。
――また、理学療法について園や学校の先生とも連携していくために、保護者ができることはありますか?
清宮:いま、理学療法のセラピーでどんなことをしているのかを共有できるといいですね。私が担当しているお子さんは、学校の先生に理学療法の様子を見学に来てもらったりしたこともあります。一度、実際に見ていただくと、理解がぐんと進みますね。保護者面談の際などに、セラピーのようすを伝えるのでもよいと思います。また、進級・進学するときには、これからの生活でどんなセラピーが必要か、学校や園とも相談しながら、その内容を理学療法士にもフィードバックしてもらって事前に準備を進めていけるとよいと思います。
理学療法士による継続的な支援を
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日本理学療法士協会|発達障がい児に関する国民向けパンフレット
――日本理学療法士協会では、発達障害のあるお子さんを持つ保護者の方に向けたパンフレットも作成されていらっしゃいますね。
清宮:発達障害の支援としての理学療法をより広く知っていただくことに加え、お子さんが大人になって就労するまで、継続的な発達支援ができることもお伝えしたいという思いからパンフレットを作成しました。自立した生活を営むための支援にも、理学療法士の果たす役割は大きいと考えています。パンフレットのなかには、成長過程のなかで受けることができる福祉的な支援と、そこに関わる理学療法について、まとめてあります。
例えば、就学を機に発達支援センターなど福祉機関でうけていた理学療法が終了する場合もありますね。そうしたとき、例えば医療機関の外来でリハビリテーションを受けたり、訪問看護ステーションから理学療法士を派遣してもらうことが可能な場合もあります。幼児期、学齢期から継続して、社会人になってからも理学療法を受けることができるのです。
――将来にわたって、理学療法士をはじめとする支援とつながりを持ち続けることが重要なんですね。