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発達障害姉のパニックが最小限で抑えられるのはきょうだい児妹のおかげ?仲良し姉妹の姿に母は…/読者体験談

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発達障害の姉と妹は仲良し姉妹


わが家には3歳差の仲良し姉妹がいます。

自閉スペクトラム症、ADHDがある姉(現在中1)は、小1~小3は通常学級(小1は加配あり)、小4~小6は特別支援学級(情緒)、中学進学後も特別支援学級(情緒)に引き続き通っています。普段は素直で優しい姉ですが、こだわり強め、癇癪頻発、また特性から1日中しゃべり続けていることもあります。記憶力が良いため昔のことをよく覚えていて、特につらく悲しい記憶が抜けない面があります。以前交流級の男子数名からいじめにあったことがあり、学校へ行くことが怖く現在は不登校を選んでいます。

妹(現在小4)は、周りをよく見ていて常に気配りできる子どもです。いつも自然に姉の面倒を見てくれていて、声かけのタイミングや話の聞き方は療育の先生より上手と思えるほどです。

二人の関係は良好です。
妹が姉のやりたいことを優先してくれることもありますが、妹が対戦ゲームをしたいときなどは、姉を誘って一緒に遊んでもらうこともあります。

姉は話を聞いてもらいたいタイプなのですが、脈絡なく話してしまったり、話が飛び飛びになったりもするし、聞き取りにくいことも多々あります。それでも妹は相づちを入れつつ「ちゃんと聞いているよ」という姿勢で姉との会話を楽しんでいるようです。

このように妹は話の聞き方一つにしても、親以上に姉への対応が上手だなと感じています。それは4歳の頃から自然に身についていったように思えます。

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4歳から自然と身についていた姉への「声がけの仕方」


妹は小さい頃から”周囲の人を助けたい”と思う性格のようで、園や学校のお友達が困っていると自然と手助けをしていましたし、姉のフォローもいつもすすんでしてくれています。

姉は話しかけられても気づかないことが多いのですが、妹は4歳くらいの頃から、姉に話しかけるときは姉の視界に入る場所に移動して名前を呼び、一旦注目させてから話すということを自然と行っていました。普段私がそのように話しかけている様子を見て、自然に習得したようです。


妹が年長くらいになると、出かける際、姉に「〇〇(姉の名前)、□□(場所)に行きます。あわてないで準備します」などと姉に声がけをするようになりました。

姉のパニックや癇癪に事前に気づいてくれる


また、妹は姉のパニックや癇癪に対して、落ち着くまでそっとしておいたほうがいいときと声がけをしてあげたほうがいいときの違いを感覚的に掴み、対応してくれます。それも妹が4歳頃から自然と行っていたように思います。

姉がパニックや癇癪を起こしたときは、落ち着くまで待つのが1番の対応になります。妹はそのときも何も話しかけずただ待っています。そして、おさまったタイミングで、「落ち着けてよかった」など声をかけて、パニックや癇癪を起こしたことは責めません。ちゃんと落ち着けたタイミングを見極められていることもすごいことだなぁと思います。


また、姉がパニックを起こしそうになる状態に気づくのがとても早く、先生がそれに気づかず進めていると、「〇〇(姉の名前)大丈夫?ちょっと休む?」と絶妙なタイミングで声をかけています。妹の声かけがもう1分遅かったら癇癪を起こしていただろうと思うことが何度もありました。癇癪を起こしてしまうと長いし、本人も周りもつらいので、一瞬の表情の変化や動きで気づいて助けてくれる妹にはとても助かっています。また姉も「ありがとう、ちょっと休みたいな」と妹の声がけだと素直に応じられることが多いです。

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姉のパニックを最小限に抑えてくれる妹のすばやい状況理解と対応


以前療育施設で、姉と妹だけ別の部屋に案内されたときの話です。案内された部屋には、学校の机と椅子があり、その部屋に案内された時、一瞬姉の動きが止まりました。瞬時に妹はその動きに気づき「やばい!」と思ったそう。やはり姉が癇癪起こす直前の状態、体が強張る様子になっていました。


いじめられて不登校になった姉は、学校を思い出させる机と椅子がとてもつらく、耐え難いものでした。療育の先生はそのことを知らなかったということもあり、異変の理由に気づきませんでした。私は、姉が学校の机と椅子が嫌なことを妹には話していなかったのですが、妹は姉が学校を連想したのかもしれないとすぐ気づき、部屋に入る前に「このお部屋は学校みたいだから〇〇(姉の名前)は苦手みたい」と療育の先生に教えてくれました。また姉には「この部屋はいやだよね。無理しなくていいと思うよ」と穏やかに声をかけていました。

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その後、妹が姉にその後の予定を話し、落ち着かせようとしてくれました。姉も一旦落ち着きかけたのですが、少しパニックになってしまったため、その日の療育はそのまま終わってしまいました。ですが、あのまま案内された部屋に入っていたら、1週間は荒れていたと思います。
妹の気づきと素早い対応のおかげで、その日1日荒れる程度で済みました。

これからも仲良し姉妹で!姉は少しでも過ごしやすいように、妹には好きを優先してほしい


このように妹には姉だけでなく、私もとても助けてもらっています。ただ、優しすぎて自己主張が苦手な面がある妹。いつも負担や我慢ばかりさせているかと思うと、親として申し訳ない気持ちもあります。ですので、母と妹2人で出かけたり、ぎゅーっと抱きしめることは欠かせません。

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親としては、二人がこれからも仲良し姉妹でいてもらいたいというのが何よりの望みです。

姉は、素直で優しい部分はそのままで、気持ちのコントロールを徐々にできるようになってもらい、悲しみばかりに囚われず少しでも過ごしやすくなってもらいたいです。

妹は……いつも自分の気持ちよりも相手のことを優先しがちなので、もっと自分のやりたいこと、好きなことを優先できるようにになってもらいたいです。
サポートには本当に助かっていますが、妹には妹の人生があると思うので、その部分は我慢をさせないように親としても注意して見守っていきたいです。

また妹は、家では姉をサポートし、学校では特別支援学級の子をサポートしているようです。本人も人を助けたい思いが強く、大人になったら姉の通う療育施設の先生になろうかなと話しているので、療育の先生になって支援が必要な子やその家族の支えになる存在になってくれればと思っています。

イラスト/カタバミ
エピソード参考/naco.

(監修:森先生)
とっても良い妹さんですね。お母さんから妹さんへの配慮も、大変素晴らしいと感じます。発達障害のある子どもが成長するためには、親だけでなく家族全員の協力が得られるとより良いですよね。親だけではケアできない部分もあり、同年代のきょうだいからケアしてくれることは、とっても助かるでしょう。

ただし、パニックや癇癪の対応は、大人でも疲れてしまうこともあるくらい大変なことです。
「きょうだい児」がどんなに優秀でも、親はそれに甘え過ぎないことが大切です。「きょうだい児」にも、安心して家族に甘えたり、ときに反抗したりすることも必要です。「きょうだい児」とのコミュニケーションも大切にして、ときに親と2人っきりで甘えられる時間を意識的にとってあげること。「お世話をしてくれるから」でなく、「その子自身を愛している」こと、「その子のやりたいことを応援している」ことを、これからも今の調子でしっかりと伝えられるといいのではないかと思います。

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