特別支援学級で正解だった?悩む母が納得した入学式前日の「ある出来事」
スバルも今がチャンスとばかりにその場でゆっくりと回転しながら、会場の全体の風景を360度目に焼きつけていました。
新しいクラスメイトたちは、体育館の椅子を重点的にチェックする派、ステージのカーテンの裏をチェックする派、体育館をぐるりと一周する派、そしてそんな新しいクラスメイトの動きを観察する派がいるようでした。
先生は焦ることなく「こっちにピアノもあるよ」なんて案内をしてくれました。しばらくして先生が声をかけると1人、また1人と戻ってきて説明が再開されました。先ほどの様子とは打って変わって、集中して説明を聞いていました。
もしこれが幼稚園の頃で、スバルが私の目の前で会場のチェックを始めたら慌てて止めていたと思います。
「みんな座って先生の話を聞いているのに、何で1人回転してんの!」と……。スバルの回転のその先に、安心と集中があるのだとしても、私は1人だけ違う行動をするスバルを止めない訳にはいかない小心者なのです。
ずっとそうしてきたのです。
新しいクラスメイトの保護者たちはわが子が会場チェックを始めた時、一瞬焦り止めようとしましたが、先生も一緒に会場チェックをし始めたので「おたくも?」「あらおたくも?」と顔を見合わせ、そのまま見守る流れになりました。
ほかの保護者が止めていないので、私もスバルを止めることはしませんでした。小心者なので。
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その後は教室に移動し、自分の教室と自分の席をチェックしました。
今度は先生が「先に教室を見て良いよ」と言ったので、それはそれは、くまなくチェックしていました。
そして自分の席に着き、先生の話を真剣に聞きました。
翌日の入学式で「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」どうしたら良いかの説明がありました。
「じっとしていましょう」「座っていましょう」「静かにしてましょう」ではない説明に驚くと共に、心が軽くなりました。
先の見通しが立たないと不安になるスバルは、会場のチェックやもしものときの対応法を聞くことで安心を得たと思います。はたから見れば少し変わっている「スバルが安心できる行動」が許される環境に、私は安心しました。
小学校の入学式当日
そして迎えた入学式当日。
スバルも新しいクラスメイトたちも拍子抜けするほど落ち着いて過ごし、無事に入学式は終わりました。