履修登録で失敗!ASDの私、大学生になったとたんに引きこもり、暗転の4年間への後悔
大学入学で早速つまずいた「履修登録」
入学してすぐにバタバタと始まるのが履修登録。これが最初のつまずきでした。
まず、「自分の生活について自分で決める」ことに慣れていませんでした。高校までは、ルールでガチガチに縛られた生活は息苦しくはあったものの、慣れてしまえば受動的にルーティーンをこなせばいいだけなので、私のようなASDの私にとっては楽な面もあったのです。
百科事典並みに分厚いシラバスは、めくっても圧倒されるだけで、自分が何年次に何をどのぐらい履修したらいいものか、まったくイメージがわきませんでした。
今のようなSNSのなかった当時、やりくりのうまい学生ならだいたい何単位ぐらいとって卒業するのか、やる気のある学生ならどれぐらいか、という情報もありません。就職や資格取得のためにこれをとっておいたらいい、逆にこれはとるとコスパが悪い、みたいなことも分かりません。
いま思えば、周囲の学生は、早くも仲良くなったほかの学生や、先生や学生課の人たちとうまくコミュニケーションをとって情報収集をしていたようですが、ASD(自閉スペクトラム症)の自覚のなかった当時の私には見えていませんでした。
コミュニケーション障害や社交不安のあった私には、「人に聞く」がうまくできませんでした。そもそも、「分からないことは人に聞くものだ」という選択肢があまり頭にのぼりませんでした。それまで友人も頼れる大人もほとんどいなかったし、「すべてのことは自分で努力して解決しなければならない」と思い込んでいる部分がありました。
結局、分からないことは分からないまま、唸りながら長時間考え込んだり、疲れてやけになって半ばあてずっぽうに決めたりして、最初の履修登録は終わりました。
学年を重ねても毎度つまずいた
履修登録には、2年になっても、3年になっても慣れませんでした。
4月、一生懸命履修登録をし、そのまま新しい学年の授業が始まる環境変化で、緊張や疲れがたまってしまい、5月の大型連休が始まると糸が切れてしまったようになって、休み明けにはもううまく通学できない状態になっていました。
私は徐々に昼夜逆転を起こして引きこもりがちになり、ほとんど大学に行けなくなりました。
履修登録では頭が真っ白になりながら、なんとか時間割のパズルを埋める計算をしていたような気がしますが、この頃は心身ともにつらすぎて、記憶がおぼろげです。