自閉症息子、3歳で発語が!喜びもつかの間、「言葉が出たからゴール」ではなかったと痛感する今
Pは言葉を発する時に、誰かとコミュニケーションを取ろうとしているのではなく、自分の頭に浮かんだことをただ発しているだけなのかもしれませんし、自分の考えていることを声に出し整理しているだけなのかもしれません。また不安やストレスを感じたときに同じ言葉を繰り返し言って安心しているのかもしれません。
私はPがなぜそのような言葉を発しているのか?を理解すると同時に、静かにする場所や場面を絵カード等で提示し、声のボリュームの練習をしてみたり、ルールを決めたりすることが必要だと思っています。
また、聞いてもらう相手に少しでも正しく伝わるように、家だけではなく特別支援学校や放課後等デイサービスなどでも発音や発声の練習を実践してもらい、言語療法の先生にも相談して、言葉に関することをいろいろ教えてもらいたいです。
P自身が自分の言いたいことが伝わらないことにイライラし、ストレスを感じないように、できる限りサポートしていけたらと思っています。
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執筆/みん
(監修:新美先生より)
P君の言葉の発達の変化と保護者としてどのように感じて考えてきたかについて、聞かせて下さりありがとうございます。
ASD(自閉スペクトラム症)や知的な発達の遅れがあると、言葉が出るのが遅かったり、言葉が出るようになってもコミュニケーションがうまくとれなかったりして、保護者の方としてはやきもきしたり、心配になったりすることが多いと思います。みんさんがおっしゃられているように、「言葉が出たからゴール」というわけではないというのもありますね。
一般的に自閉傾向のある方は、知的な遅れがあってもなくても、音声言語によるコミュニケーションよりも、視覚的な情報のやりとりのほうが、より意思疎通がスムーズにいくことが少なくありません。みんさんもご紹介くださっているように、言葉が出ていても、絵カードなどの視覚情報のやり取りも活用するのはとてもいいと思います。音声の言葉だけにこだわり過ぎずに、ご本人に合った形式でご本人に伝えられるーーご本人の思いを表出できる手段を取り入れていけるとよいと思います。
https://h-navi.jp/column/article/35030123
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」