自閉症中3息子、初めての通信制高校オープンキャンパス。面談、体験授業は苦手なことの連続で…
と返事が返ってきた。
そして、先生は三者面談の間で何度か太郎とコンタクトを取ろうと、さり気ない声かけに挑んでくださっている様子だった。太郎は緊張のあまりに返事をすることはできなかったが、私は先生の対応を見て少し安心した。
この高校のオープンキャンパスは1度だけではなく、数回開催される。2回目は実際に体験授業を行う内容だった。三者面談の最後に、先生から「2回目のオープンキャンパスに参加したいか」という質問があった。オープンキャンパス開催の日付けや説明が書かれてある用紙が机の上にあったのだが、太郎は指さした。
「数学の体験授業」だった。
先生は反応した。「お、そうかそうか。数学を体験したいんだ。得意?」太郎は首を横に振った。
「苦手かな?」太郎は縦に首を振った。
「うん。そうか。実際体験してみよう」と先生は言った。

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太郎自ら2回目のオープンキャンパスの日付けを選び、体験授業の学科も選んだ。緊張している中で何も考えることができていない訳ではなかった。
意思表示を少しでもできたことに、私は安心した。ただ、この状態での受験や高校生活に不安を覚えた私だった。
体験授業では…
そして、2回目のオープンキャンパスにも参加してきた。慣れない場所、初めて出会う人たちとのグループワーク、数学……すべてが太郎には苦手なことだった。
保護者はそのグループワークを見守る形だったのだが、私は気が気でなかった。
太郎は、問題が分からず固まってしまった。そこで助けてくれたのは、学校の先生とグループワークに参加していた高校生だった。
ほかの生徒と比べることは良くないかもしれないが、学校の学力レベルと太郎が合っているのかを見極めることは、この先の高校生活に重要になってくると思っている。
今回の授業体験では……太郎が一人浮いているようにも見えた。私の不安は募った。
オープンキャンパスの帰り道、太郎は少し暗い表情をしていた。私はしばらく太郎の様子を見守り知らぬふりをして声かけもしなかったが、あまりにも声を発さなかったため、たまらず声をかけた。「ちょっとグループワークが難しかった?」
太郎はこう答えた。
「うん」
そのひとことだけが返ってきた。ひとことに重みがあり、私も不安がまた募った。
「どうしても参加が難しい時は、別のクラスに行けるって説明していたから、そうしたらいいね」